noshiroshiminのブログ

能代市に住んでいる一般市民です。今、能代市の地先の海に8メガの巨大風車が56基建てられる計画が進んでいます。住民が知らないうちに風車が乱立することがないことを願い、洋上風力関係の説明会や講習会の聴講内容を書き起こしています。聴覚が不自由な方のためでもあります。これからも地元の風力発電事業の動きを記録していきます。

「協議会意見のとりまとめに向けて」再エネ海域法に基づく秋田県能代市、三種町および男鹿市沖における協議会 第2回 その⑥

前回の続きです。

議題(2)「協議会意見のとりまとめに向けて」

・事務局より 参考資料1について説明「長崎県五島市沖における協議会意見とりまとめ」

能代市の意見 市長 齊藤滋宣氏

三種町の意見 町長 田川政幸氏

男鹿市の意見 総務企画部長 柏崎潤一氏

 

配布資料はこちら↓(ご覧になれる方はぜひどうぞ)

 https://www.pref.akita.lg.jp/pages/archive/46739

 

この協議会の動画はYouTubeで視聴できます。一番最後にリンクしておきます。

 

 

座長:次に議事2ということで議事に入りたいと思います。

それではさっそく事務局より説明をお願いいたします。

 

事務局:はい、それでは議題の二つ目ということで「協議会意見のとりまとめに向けて」ということで、議題の(2)ということでございます。本日の情報提供等も踏まえまして、本協議会としてどのような形で今後取りまとめていくか、というときのところでございます。

その議論の参考といたしまして、長崎県の方で11月に第2回の協議会ということで開催をいたしまして、その際に長崎県の方ではいち早く協議会と市の意見を取りまとめて今現在★促進海域区域の指定という方向で進んでおりますので、これにこだわる必要は全くございませんが、議論の参考としてご紹介させていただければと思います。この「参考資料の1」ということでお手元に配らさせていただいております。

(★五島市沖は2019年12月27日に促進区域に指定されました)

 

簡単にご説明させていただきます。

長崎県の方では協議会のご議論も踏まえまして、また協議会の間に関係のメンバー等との意見交換等も踏まえまして、こういう形で取りまとめてございます。

全体の構成でございますが、最初「はじめに」という所から「協議会の意見」その後「留意事項」というふうになってございます。「はじめに」の所は割愛させていただきまして、最初に「協議会意見」という所でございますが、この部分が結論ということで、「五島市沖の区域において洋上風力発電事業を実施することにより、漁業操業、既設海洋構造物の運営及び船舶航行など等に支障を及ぼさないことが見込まれるものとして、別添のとおり洋上風力発電に係る促進区域として指定することに異存はない」ということが結論になってございますが、「ただし」とございまして、「指定に当たっては、次の事項について公募から発電事業終了までの全過程において留意することを求める」ということで、3. の留意事項というものについてこうしっかりと対応することを前提にこの区域での区域指定は問題ないという形の結論を出されている所でございます。

そういう意味で、この留意事項という所でご説明させていただきますが、大きな塊として(1)から(7)まで7項目ございます。

一つ目の所が全体理念、その上で二つ目の所で地域や漁業との共存、それから今お話あったような漁業影響の調査という所、それから(3)以降が事業実施に当たっての各段階での留意点といったような全体構成になってございます。

簡単に中身説明させていただきますが、まず(1)全体理念という所でございますが、当然現時点では詳細分からない部分ございますので、事業者さん、選定事業者さんについてしっかりとこの理念についてこう共有するというところを全体の大前提ということで、最初に全体理念となってございます。

最初の・(ポツ)の所で「選定事業者は、地元との共存共栄の理念について理解し、地域資源たる風と海を最大限活かした、地方創生にも資する発電事業の実施に務めること」ということ、それから「協議会の意見を尊重して事業を行うこと」、一方で協議会は「本協議会の意見を尊重して事業者が行う場合にはこれを了承するものとする」ということの全体理念となってございます。

続きまして、(2)で「地域や漁業との共存」という所でございますが、全体の理念として「選定事業者が、地域や漁業との共存共栄の理念を理解し、丁寧な説明・協議の実施などを通じて、信頼関係の構築に努める」と言うまず理念。

それから二つ目に具体的なアクションといたしまして「選定事業者は、地域や漁業との共存共栄の理念のもと、地域や漁業との協調・共生のための基金五島市と協議の上設置すること。また基金の運用に当たっては、透明性を確保すること」というふうになってございます。

それから「漁業影響調査」、まさに今ご議論あったところでございますが、こちらについて五島市の方でも当然強い関心ございまして、「選定事業者は、漁業影響調査を行うものとし、その方法及び時期等については関係漁業者、地元大学等々の意見を聴収するとともに、その意向・助言を十分尊重すること」といったような形での取りまとめになってございます。

めくっていただきまして(3)以降の所で、まず(3)がまず「設置に当たって」の所でございます。「設置に当たって」の所については、「選定事業者が、設置に当たり、海域において操業される漁業への支障を十分考慮し、関係漁業者等々との丁寧な説明・協議を行う」ということ、それから「既存海洋構造物の保全及び管理に支障ががないように十分に協議を行う」ということでございます。

ここから先は、そういう意味では具体的なまだその計画が出てきているわけではございませんので、各段階に当たってしっかりと関係者と説明・相談・協議での当然行うようにということが順番に書かさせていただいております。

(4)で「建設に当たって」という所においても同じように関係者等への説明・相談・協議を行うことということ、それから既存海洋構造物に被害が及ばないような措置を講じなさいということ。

それから(5)で今度、実施、発電事業の自治体の風車の運転に当たってという所で同じくメンテナンスの実施といった所についても説明・相談・協議ということをしっかり行うこと、それから事業者が実施するに当たって船舶の安全の確保のためのルールを定めるということについても同じくしっかりと協議を行うということ。

それから(6)で「環境配慮事項」ということで、アセスメント関係の所につきまして、「関係法令に基づき発電事業に係る環境影響評価を適切に行うこと」、それから「選定事業者がその検討に当たってコウモリ類、海生生物等々への影響が、回避または低減できるような配慮をする」ということ、それから、海鳥の調査に関しての環境省が行っている調査を踏まえながらしっかりと予測及び評価を行い、その結果を踏まえて、環境保全措置を実施するということで鳥類への影響を回避または極力低減するということ、それから予測・評価には不確実性が伴うことから、ということで次のページの所でございますが、工事中及び供用後も必要に応じて環境監視や事後調査を実施し、必要な場合には追加的な措置を講ずることということ、それから長崎の場合、世界文化遺産との関係もございますね、こういったことについて書かれているということ。

それから(7)で現時点ではなかなか予測できないこともございますので、何か追加的なことがあった場合には必要に応じて協議すること、といったような形で、ご地元として、まあ協議会としてご了解をそれでプロセスの方に進んでいるところでございます。

 

繰り返しになりますが、この形である必要は全くございませんが、議論のたたき台としてこちらも使っていただきながら本協議会としてどのようなことを盛り込んでいくべきかということをご議論いただければ幸いでございます。

 

座長:はい、ありがとうございました。

この件に関しては皆様方から色々な意見があることと思います。そのためまずは非常に影響を及ぼすであろう能代市長様、何かご意見ございますでしょうか。

 

能代市の意見

能代市:ありがとうございます。私の立場からすれば正直申しまして、能代市では「エネルギーの街」ということで洋上風力を含めてですね、再生可能エネルギーに取り組んでいるわけでありますけれども、もう一つの立場として地域代表という立場もあって、この法定協議会に出させていただいています。

その立場でお話させていただくと、一つには今まで議論されてきた中で今日はお三方の先生がお見えいただきましてお話を伺うことでご理解していただける所も沢山あったと思うんですけれども、今秋田県で一番問題になっているのが、新聞紙上をにぎわしている「潟上における電波障害」ですね、このことが法定協議会ではまだ一つも議論されていないと思っております。ですから私の立場からすれば、やはり今市民の皆さん、地域の皆さんでこの風力発電に懸念を持っている事案に対して、しっかりと今日のようにですね、専門家の方をお呼びしてお話を聞くということがまず一つ大事ではないか。

例えば前からお話してることもありますけれども、今日は「魚類への影響」とかそれから「低周波音」についてはお話がありましたが、ここの場でお話があってまだ議論されていないこともあろうかと思います。

それからもう一つ、私どもの地域の立場からすれば、事業計画を作った時の評価として都道府県知事から意見を聴収することになっておりますが、我々末端自治体の組長からは意見を聴くことになっておりません。ですからやはり地元を預かる身としては我々にもぜひとも意見聴収をしていただけないかと思っております。

それからもう一つは、先程、五島列島の話がありましたが、今日は漁業者の皆さん方がお見えでありますけれども、一番影響があるのはやっぱり漁業者の、先行利用者の中で漁業者の皆さんだと思うんですね。こういう皆さん方に、じゃあどうやって漁業補償って言ったら悪いかもしれませんが、その影響に対するですね、評価をしてそれに対してどう対応していくのか、事業者にどういう注文をつけるかというところも議論まだされていないと思いますし、先程の話では基金の話が五島ではありましたけれども、じゃあ当地域においてはこの基金というのをどう考えていくのか、それからやはりその基金というのを作っていく上において、どういう制度設計していくのか、それをどのように、漁業者の皆さんが中心になると思いますけれども、どこが管理して更にはどのように地域、その周辺地域の皆さん方にそれを還元していくのか、その辺の議論がされていないと思いますので、ぜひともこの法定協議会の中で議論していただければありがたいと思います。

 

座長:ありがごうございました。事務局の方から何か今の意見に対しございますでしょうか。

 

事務局(経済産業省:はい、あの、一つ一つコメントしていくとキリがなくなると思いますが、全くご指摘の通りでございまして、まさに本協議会としてこの長きに渡る事業となりますので、事業をしていくに当たって懸念を払拭していただきながら、まさに地域と共存共栄という形でしっかりやっていくべくということの内容について、しっかり協議をしていただければと思います。

電波障害の件についても「その専門家の意見を」ということでございましたので、こちらも前回と同様ですね、しっかりと協議会としてそういう方針で行こうということでありましたら、事務局として、適切な人選とか検討させていただきまして、次回に繋げていければと思ってございます。

 

座長:では続きまして三種町長様、いかがでしょうか。

 

三種町の意見

三種町:発言の機会を与えていただきましてありがとうございます。実を言えば今回風力発電、うちの当町の方でも議会の方でも話題になりまして、そういう意味では大変地域の沿岸住民、町民の方も大変関心を持って注視されております。

それで先日、沿岸の自治会長さんを含め役員の方々とお話する機会がございましたので、その点について少し協議というか申し入れのような形になるかもしれませんが、お願いしたいと思います。

先程の五島市沖の協議会の意見の件も、一通り目を通させていただきました。まさにこの通りだと思っております。それでやはり地元の方では一番まず関心があるのは「景観等いろんな意味で精神的な負担があるんじゃないかということに対する地域貢献というかそういうメリットデメリットの部分をしっかり町として申し入れて欲しい」と、そういうことを言われております。

本当に当然事業者の方々がその節目節目で住民への説明会というのは当然やっているんですが、その部分では要するに「事業者の立場からいいことしか言わない」と。「もうそういうことばかり言っても我々も良く分からないし」、ということで「こうして欲しいという具体的なところを町として、こういう協議会の場で発言して欲しい」ということを強く申し入れされました。

その点についてほんとにあのこれまで色々お話出ているところは十分、分かっておりますので、重複は避けたいと思っておりますけれども、やはりあの今回電力事業をやるに当たって大変大きな発電を起こすということで、色んな意味で試算はされていると思うんですね。そういう具体的な部分をやはりあのこういう所ではなかなか発言できない部分もあるかと思いますけれども、そういう漁業者を含めてそういう方々はこういう規模の事業だという部分をしっかり伝えてですね、地域貢献としてさっき基金の話もありましたけれども、そこに反映される想定される金額とかそういう具体的な部分もお示しした方が逆に納得する方々が多いのではないかと思っておりますので、この部分も一つよろしくお願いしたいなと思っております。

あと細かい部分はこれからまた協議の中で当然出てくると思いますので、その都度また協議して、いい方向にやっていければありがたいなと思っていますので、よろしくお願いいたします。

 

座長:ありがとうございました。事務局の方から何かご意見は。非常に最もな意見だと思いますが

じゃあ次回以降に反映させていただきます。あと、では、男鹿市の方から何かございませんでしょうか。

 

 

男鹿市の意見

男鹿市総務部長男鹿市の方も、行政としまして今、能代市さん、三種町さんがおっしゃったことそのままお願いしたいと思います。

特に男鹿市におきましては、まず情報不足のところがありまして、漁業に関すること、景観に関すること、騒音に関すること、本日の専門家の方のお話が聞ければこれをまあちょっとこう周知していきたいというふうに考えております。こういうふうな丁寧な説明が必要でありまして、また地域住民の方々に我々が説明する立場にありますので、こういう情報提供をですね、こう致して頂ければなというふうに思っております。

 

 

座長:ありがとうございました。

 

以上

次回、「基金について」、「漁業関係者の方々の発言」へと続きます。

 

★文字起こしの際、読みやすくなるよう若干整文してあります。

★どうしても聞き取れなかった箇所は***としてあります。

 

今回の動画はこちら↓ 2:02:49頃から


2019/12/26秋田県内両協議会