noshiroshiminのブログ

能代市に住んでいる一般市民です。今、能代市の地先の海に8メガの巨大風車が56基建てられる計画が進んでいます。住民が知らないうちに風車が乱立することがないことを願い、洋上風力関係の説明会や講習会の聴講内容を書き起こしています。聴覚が不自由な方のためでもあります。これからも地元の風力発電事業の動きを記録していきます。

「基金について」「漁業関係者の方々からの意見」再エネ海域法に基づく秋田県能代市、三種町および男鹿市沖における協議会 第2回 その⑦

前回の続きです。

議題(2)「協議会意見のとりまとめに向けて」

基金について」、「漁業関係者の方々からの意見」

 

配布資料はこちら↓(ご覧になれる方はぜひどうぞ)

 

 https://www.pref.akita.lg.jp/pages/archive/46739

 

この協議会の動画はYouTubeで視聴できます。一番最後にリンクしておきます。

 

 

座長:ありがとうございました。今話に出ましたように漁業関係者の方々からの意見というのは非常に、あっ、お願いします。

 

八竜漁協(三種町:あの「基金」の件なんですけど、基金って ※ ※ 国や県の人がたも分かっていると思いますけども、基金という制度、まだどういう制度・仕組みになるのか先が見えてこないけど、それだけはどうしてもやめて、別の方法で何かいい方法を考えた方いいんでないかと思います。

基金っていうのは、どうして私こういうこと言うかと、話するかと言いますとね、あってはならないことがうちの方で起きたんですよ。基金をみんな失くしてしまった。使って。町の方で全部使いました。はっきり言うと。

そういうものだからね、基金、やっぱり作るものは、いくら条例作っても何作ってもいいんですけど、人の作ったものはまた直すこともできる。どういうこともできる。そういう心配があるので、もしどうしてもこの基金がって言うんであれば、国・県にも私話しておきますけど、あなた方、うちの組合委員会は同意得られないことが起きるかもしれないよ。

これだけです、私言いたいことは。

 

座長:(笑)ありがとうございました。事務局の方から何かご意見ございますでしょうか。

 

事務局:はい、様々なご意見を伺えればと思っております。

 

座長:個人的な意見ですが、さっきのハタハタのこともございましたし、世の中に絶対ということはございませんので、何が起こるか分からない、ということは予想できると思うんですよ。

最悪のことを考えると、私は基金は必要かなと。ただしですね、運用というか透明性というか、そこら辺はしっかりしておかないと。何が起こるか分かりませんから、そこら辺を少し事務局の方で検討していただければと思いますのでよろしくお願いします。

 

能代市:決してその基金がいいという意味で言ったんではなくて、先程、五島列島の話で基金が出ましたので、基金を作るかどうか、まあ「地域に対する経済波及効果を思わせるとすると、どういう方法がいいのか」ということをまずここで議論していただいて、その結論として、例えば基金を作ろうということもあるかもしれないし、違う方法もあるかもしれません。

そういう制度設計をしていく中で「どこで管理するのか」という話もここで議論していかないといけないと思いますので、やはり皆様方に、いわゆる先行利用者にご迷惑をかけるということになった時に担保を一つ用意しておかないとこの後何もないというわけにはいかないということで、例えばの話ですので、それはここの場で後程議論していけばいいのではないかと思います。

 

座長:ご指摘の通りだと思います。ほかに何か意見···

 

松本氏基金につきましては、作るべきかどうかということでご提案いただきまして、「制度設計が重要である」という斉藤市長からのお話、ごもっともかと思います。

まずこの協議会において「基金の是非について」は討議する必要あると思うんですが、私はですね、実はやっぱり基金は「地域そして漁業関係者の方に還元する」という意味では必要だと思っております。

ただやはり「透明性が非常に重要だ」と中村委員長もおっしゃいましたけれども、基本的にこの洋上風力発電事業は

国民からのFIT制度の再エネ賦課金を通して成り立っている

ものでございますので、やはり資金の用途というのは国民に対しての説明責任があるわけです。

ですから、非常に「透明性ある制度設計が必要」になると思いますので、これはやはり金額が高くなればなるほど「透明性ある慎重な討議が必要」になると思いますので、またこの協議会で議論ができればと思っております。

以上です。

 

座長:ありがとうございました。次回以降の大事な宿題になると思いますので事務局の方はよろしくお願いいたします。

 

秋田県漁協秋田県漁協の工藤といいます。今日は加賀谷組合長が、天候が良くて沖に行ってしまったもんですから、代理で出席させていただいております。

 

「促進区域の話」と、それと「共生策」について、私どもの漁協としての考え方を説明させていただきたいと思いますけれども、

▪まず「促進区域」につきましては、基本的には現在示されております有望区域そのままでよろしいんじゃないかとは考えております。

ただし先程の五島の事例にありました、これは留意事項の(3)、設置位置等についての留意点というものがございまして、現在の有望区域の中でもそこに建てていただきたくない、そういう場所がございます。

一つ目が、大きなエリアということであれば水深10メートルより浅い所。

ここに関しましてはアワビとか岩ガキとかの磯の漁場として確保していきたい、また新しく作っていきたいという考えもありますし、ハタハタとかサケ、マス、そういった小型定置網の重要な漁場になっておりますので、ここは避けていただきたいと。

あとは、この後事業者が決まって建設場所等の計画が出てくるかと思いますけれども、ピンポイントとしてここは避けてもらいたいというような事例もございます。

一つ目は漁船の航行に支障があると。例えば漁港の前面に計画が出てきた場合はそこはやめてくださいとかですね、あるいは現在漁礁として有効に活用している場所、その近辺への建設はやめていただきたいとか、あとは現在定置網というものがそれなりの水深の所で挿入されているわけですけれども、その操業に大きな影響が出てくる場合。

こういった個々の事例において、どうしてもそこでやるというような話になった場合は、占用許可の際にこちらが同意を出さないと。

そういう事例が出てくるということを予めお伝えしておきたいと思います。

あとは促進区域が決まった場合、その沖側に、知事許可漁業等で操業している場所もございます。

ですからあまりギリギリの場所と言いますか、その沖合での操業に支障が出る場合についても、ここはやめていただきたい、というような話が出る可能性もあるということでございます。

 

▪あと次、「共生策」の話でございますが、これ先程来基金というお話もありましたけれども、先程の五島市沖の事例にもありますが、当漁協といたしましては基金を造成していただきたいというふうに考えております。

ただこの基金については、海域だけで使うということではなく陸域の市民の方、そういった方たちも含めてその基金を活用していければなというふうに考えております。

基金の規模につきましては、今後、関係する方々と様々な協議をしていくことになると思いますけれども、適正な水準のものを下限値として、具体的に示していただければなと思っております。

あと先程、適正な水準というふうに申し上げましたけれども、事業期間20年の中で毎年同じ金額ということではなくても、例えば、この後共生策として、新しい代替の漁場を作りましょう、とかそういう話のハード部門の話になってくると、早い時期にそういう事業をやることがより効果を出すことになると思います。

そういう観点から、20年間同じではなく “運転開始の直後” その点はある程度手厚くしていただいて、その後決まった事業者の方と協議しながら状況を見ながらですね、減額をすると。トータルとしてその適正な水準、これいくらになるかは分かりませんけれども、そこに収まるようなそういう方法も考えていただければなと思ってます。

 

それと一点ですね、色々こう色んなお話を聞きますと、そのパーセンテージで提示する場合ですね、もちろん売電単価がどうなるのか、そういうので売電収入そのものも大きく変わってくるわけですけれども、当初の段階では1パーセント程度の、売電収入の1パーセントを基金として拠出していただいて、その中で早くやらなければいけないものについては早目に投資をすると。そういうのは何十年もやる話じゃありませんから、その後は例えば漁業者の不安を解消するというか、そういうものに活用させていただければなと思っています。

 

ちょっと話長くなって申し訳ないんですけれども、この基金を造成する理由としましては、先程、藤原先生のお話もハタハタの事由としてあったわけなんですが、「風車による魚類とか漁業への影響というのは非常に不明な点が多い」と。そういう観点から私たち漁業者というのは非常に不安を感じています。実際そこで生活してる人間にとって、最悪の場合その場が失われるというようなことになりかねないと。まあ多分ならないと思いますけれども、そういうような観点から、その基金を造成してそれなりの対応をしていただければと。

先程も漁礁効果の話がありましたけれども、そういう根付きの魚というのはそれは効果があるんじゃないかなと思ってます。

ただ一方でですね、ハタハタとかサケ、マス、そのように広域に回遊する魚に関しましてはどういう影響が出てくるのか、その話になりますと単にその風車を設置する場所でなくその後方にある海域とか、そこへの影響というのもまず考えられるわけです。

だから、今よくって言いますか時々「魚の回遊経路とか生息場所が変わればそれに対応した操業をやればいいんじゃないの」というような話も聞こえてきますけれども、決してそんな簡単な話じゃないわけですよ。場所を変えるためには海も変えなきゃいけない、獲り方も変えなきゃいけないと。

そういう点も十分考慮していただきたいと思ってます。

 

あとその私どもはですね、今回そういう不安もある中で、この事業については取り合えずは同意するということでここまで進めてきてますけれども、その背景としましてはやはり原子力の問題もありますし、あとは地球温暖化による環境変化、これにも非常に大きな問題があります。

私どもがその海で暮らしている人間にとってですね、最近の事例として非常に海の中が大きく変わってきていると。

例えばハタハタの事例でいけば、本来産卵するはずでない深い場所で卵を産んでみたり、あと今年の事例ですと例年6月7月に漁獲されるスルメイカが9月になって獲れ始めたとか、そいういう海の中が大きく変わってきているというのを漁業者すごく実感してるわけです。

そういうことでですね、再生可能エネルギーの重要性というのも非常に認識しているということで、不安がある中でもこの事業の推進に、現時点では同意していると、いうあたりは理解していただきたいと思ってます。

この洋上風力の必要性というのはこれまでも、エネルギーミックスとかそういう関係で資料色々出てますが、あの数字見ると、ちょっとこうインパクトが弱いような感じがするんですよ。パーセンテージもそんなに変わらないような感じですね。そのへん国の方としても、必要性をよりこう積極的にPRしていただければなというふうに思っています。

 

この後ですね、計画が順調に進んで工事が始まって事業が始まりますと、そこにはまず風車が存在するわけです。今までなかったものがですね。でそこでの色々な影響等も考えられるわけですが、私どもとすれば、そこにできた海、そこで生活する術を考えていかなきゃいけないと。

それのためには従来と全く異なる発想のもとに、海面の利用というものも考えていかなければいけないと思います。

もちろん、その海が漁業者の生活の場であるということではあるわけなんですが、ただそれだけじゃなく、漁業が果たす役割というものを十分認識した上で、将来のこの海域の有効な利用方策を検討進めていきたいと思っています。

今回基金というものを要望しておりますけれども、漁業者の不安を解消するというだけではなく、生産活動の支援とか、あとはその新しくできる海の恵みを、市民や県民の皆さんと一緒に享受できるような、そういった対策も併せて、その市町村の方と検討していければなと思っております。

 

最後になりますけれども、前回の協議会でも評価点の話が出てましたが、漁業者の配点が少ないという、それとも関連してくる話ですけれども、色々この後公募すると事業者の方が色んな計画を出してくるとは思いますけれども、実際にその選定される事業者が、私たちの信頼関係を築ける事業者であると、いうあたりを選んでもらえるような、何か公募の条件を検討していただければなと、非常にありがたいと思っておりますのでよろしくお願いします。すみません、長くなりました。

 

浅内漁協(能代市:すいません、ちょっと重複することあるかと思いますけれども、

まず一点は、風力建った図体あのポールですね。五島列島、私行ってきました、五島列島まで。それでまあいい話一杯ありましたけれども、現実としては、我が風力建った場合、あのテトラポッドありますよね。テトラポッドがずっと永遠に海藻とか魚がつくという保証が全くないわけですよ。今現在テトラポッドには全然、貝・海藻ついてません。5年10年なると、最初はついてあったものが現在はついてない状態が続いているというのが現状です。

何を言いたいかというと、ポールが建った時点で捨て石とか色々な面で魚がつくと言われています。確かにつくと思います。でもそれが何年続くのかというのはどうなのかということを今後お聞きしたいなと思ってます。

 

あと我々漁業者としては、まあ補償金ですよね。実際、弊害被るのが我々漁民です。そういう点の補償金問題が一切なされていないという一点と、あとは初めて聞きましたけれども基金ですよね。

基金はですね、あまりにも組合さんによって事情が違うわけですよ。そしてまた今現に能代市長も言われましたけれども、基金に関しては我々は反対です。ええ、漁民としては浅内漁協としてはヒアリングした結果、全員反対です。

というのは、我々漁業者に来たお金がなぜ、役所とかそっちの方に流…、まあ規模にもよると思いますけれども、どの位の規模がその管理というか、透明性とありますけれども、私はその透明性に関しては全く信用しておりません。ええ、はっきり言いまして。まあ事例がありますから。その事例を重んじて私は信用していないと。

現実としては、地域の漁業者が迷惑被るのは確かなので、これに対しての基金というのは私としても反対です。

補償金に関してもそうですけれども、我々に対する補償金ですので、それを当然我々が頂くのは当然の 権利 だと思います。

というのを言いたいです。すみません、時間がないと思いますので、はい。

 

座長:どうもありがとうございました。

あの得に事務局というか県の方から何か発言ございますでしょうか。

 

水産庁水産庁でございます。

洋上風力建てられた際に今漁業への影響少なからずあるんであろうというようなことで皆様ずっとご発言されていることだと思います。

ただちょっと一つ基本に立ち戻っていただいて、そもそも「漁業操業への影響が見込まれないというところが今回の促進区域への指定」というようなお話でもございます。

言葉としてということかもしれませんけれども、漁業補償というようなイメージというよりは、洋上風力が建つことに対しての漁業との地域とのと言うんでしょうか、協調・共生というような策というような意味合いであろうというふうにそこは考えておりますので、そこら辺の意識をですね、補償、補償というようなことではないのではないかということはご理解いただければというふうに感じておりますので、そのような形で進めていただければなと。より深い議論ということでどんどんこれからこの協議会以外の場でもしっかり議論を進めていただきたいというふうに感じております。よろしくお願いします。

 

事務局(秋田県秋田県でございます。

ただ今、県漁協からご提案のありました「基金創生」についてなんですけれども、洋上風力発電事業というのは地元住民、漁業者関係の方々から様々な不安や懸念の声がある中で広大な海域を長期に渡り占用して実施されると、いうものでございますので、やはり事業による開発利益を地域に還元していくということは大変重要な要素だと考えております。

県としましては、「基金の創生」というのは事業者による地域貢献策として非常に分かりやすい形でありますので、その規模はともかく現時点でご提案の内容については賛同したいというふうに思っております。

 

事務局(経産省:本日は本当に様々なご意見頂戴いたしまして、事務局として県と関係省庁とも良く相談をしながら、本日頂いた論点を整理をして次に繋げさせていただきたいと思いますが、いくつかそういう意味では本日のお話の中でも幅があるご意見を頂戴いたしておりますので、第3回に向けて、良く協議会の皆様方ともご相談させていただきながら次回本日の話も踏まえた更なるご議論をしていただけるような形でちょっと整理をしながら次の議論に繋げていきたいというふうに思っております。ありがとうございます。

 

座長:そろそろ時間もオーバーしていますので以上とさせていただきます。

今回貴重な意見いただきまして誠にありがとうございました。その意見を踏まえて次回以降に繋げていきたいと思います。

では以上を持ちまして本日の協議会を閉じます。どうもありがとうございました。

 

以上

 

これで、第2回法定協議会の書き起こしシリーズ①~⑦は終了です。

第3回法定協議会が開催されましたら、また記事にしていきます。

(2020/3/2に予定していた第3回協議会はコロナウイルス感染症の影響を鑑みまして延期となりました。)

 

★文字起こしの際、読みやすくなるよう若干整文してあります。

★どうしても聞き取れなかった箇所は***としてあります。

 

 

 

 

 

今回の動画はこちら↓  2:18:26頃から

 

 


2019/12/26秋田県内両協議会