「基金について」「漁業関係者の方々からの意見」再エネ海域法に基づく秋田県能代市、三種町および男鹿市沖における協議会 第2回 その⑦
前回の続きです。
議題(2)「協議会意見のとりまとめに向けて」
「基金について」、「漁業関係者の方々からの意見」
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https://www.pref.akita.lg.jp/pages/archive/46739
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座長:ありがとうございました。今話に出ましたように漁業関係者の方々からの意見というのは非常に、あっ、お願いします。
八竜漁協(三種町):あの「基金」の件なんですけど、基金って ※ ※ 国や県の人がたも分かっていると思いますけども、基金という制度、まだどういう制度・仕組みになるのか先が見えてこないけど、それだけはどうしてもやめて、別の方法で何かいい方法を考えた方いいんでないかと思います。
基金っていうのは、どうして私こういうこと言うかと、話するかと言いますとね、あってはならないことがうちの方で起きたんですよ。基金をみんな失くしてしまった。使って。町の方で全部使いました。はっきり言うと。
そういうものだからね、基金、やっぱり作るものは、いくら条例作っても何作ってもいいんですけど、人の作ったものはまた直すこともできる。どういうこともできる。そういう心配があるので、もしどうしてもこの基金がって言うんであれば、国・県にも私話しておきますけど、あなた方、うちの組合委員会は同意得られないことが起きるかもしれないよ。
これだけです、私言いたいことは。
座長:(笑)ありがとうございました。事務局の方から何かご意見ございますでしょうか。
事務局:はい、様々なご意見を伺えればと思っております。
座長:個人的な意見ですが、さっきのハタハタのこともございましたし、世の中に絶対ということはございませんので、何が起こるか分からない、ということは予想できると思うんですよ。
最悪のことを考えると、私は基金は必要かなと。ただしですね、運用というか透明性というか、そこら辺はしっかりしておかないと。何が起こるか分かりませんから、そこら辺を少し事務局の方で検討していただければと思いますのでよろしくお願いします。
能代市長:決してその基金がいいという意味で言ったんではなくて、先程、五島列島の話で基金が出ましたので、基金を作るかどうか、まあ「地域に対する経済波及効果を思わせるとすると、どういう方法がいいのか」ということをまずここで議論していただいて、その結論として、例えば基金を作ろうということもあるかもしれないし、違う方法もあるかもしれません。
そういう制度設計をしていく中で「どこで管理するのか」という話もここで議論していかないといけないと思いますので、やはり皆様方に、いわゆる先行利用者にご迷惑をかけるということになった時に担保を一つ用意しておかないとこの後何もないというわけにはいかないということで、例えばの話ですので、それはここの場で後程議論していけばいいのではないかと思います。
座長:ご指摘の通りだと思います。ほかに何か意見···
松本氏:基金につきましては、作るべきかどうかということでご提案いただきまして、「制度設計が重要である」という斉藤市長からのお話、ごもっともかと思います。
まずこの協議会において「基金の是非について」は討議する必要あると思うんですが、私はですね、実はやっぱり基金は「地域そして漁業関係者の方に還元する」という意味では必要だと思っております。
ただやはり「透明性が非常に重要だ」と中村委員長もおっしゃいましたけれども、基本的にこの洋上風力発電事業は
「国民からのFIT制度の再エネ賦課金を通して成り立っている」
ものでございますので、やはり資金の用途というのは国民に対しての説明責任があるわけです。
ですから、非常に「透明性ある制度設計が必要」になると思いますので、これはやはり金額が高くなればなるほど「透明性ある慎重な討議が必要」になると思いますので、またこの協議会で議論ができればと思っております。
以上です。
座長:ありがとうございました。次回以降の大事な宿題になると思いますので事務局の方はよろしくお願いいたします。
秋田県漁協:秋田県漁協の工藤といいます。今日は加賀谷組合長が、天候が良くて沖に行ってしまったもんですから、代理で出席させていただいております。
「促進区域の話」と、それと「共生策」について、私どもの漁協としての考え方を説明させていただきたいと思いますけれども、
▪まず「促進区域」につきましては、基本的には現在示されております有望区域そのままでよろしいんじゃないかとは考えております。
ただし先程の五島の事例にありました、これは留意事項の(3)、設置位置等についての留意点というものがございまして、現在の有望区域の中でもそこに建てていただきたくない、そういう場所がございます。
一つ目が、大きなエリアということであれば水深10メートルより浅い所。
ここに関しましてはアワビとか岩ガキとかの磯の漁場として確保していきたい、また新しく作っていきたいという考えもありますし、ハタハタとかサケ、マス、そういった小型定置網の重要な漁場になっておりますので、ここは避けていただきたいと。
あとは、この後事業者が決まって建設場所等の計画が出てくるかと思いますけれども、ピンポイントとしてここは避けてもらいたいというような事例もございます。
一つ目は漁船の航行に支障があると。例えば漁港の前面に計画が出てきた場合はそこはやめてくださいとかですね、あるいは現在漁礁として有効に活用している場所、その近辺への建設はやめていただきたいとか、あとは現在定置網というものがそれなりの水深の所で挿入されているわけですけれども、その操業に大きな影響が出てくる場合。
こういった個々の事例において、どうしてもそこでやるというような話になった場合は、占用許可の際にこちらが同意を出さないと。
そういう事例が出てくるということを予めお伝えしておきたいと思います。
あとは促進区域が決まった場合、その沖側に、知事許可漁業等で操業している場所もございます。
ですからあまりギリギリの場所と言いますか、その沖合での操業に支障が出る場合についても、ここはやめていただきたい、というような話が出る可能性もあるということでございます。
▪あと次、「共生策」の話でございますが、これ先程来基金というお話もありましたけれども、先程の五島市沖の事例にもありますが、当漁協といたしましては基金を造成していただきたいというふうに考えております。
ただこの基金については、海域だけで使うということではなく陸域の市民の方、そういった方たちも含めてその基金を活用していければなというふうに考えております。
基金の規模につきましては、今後、関係する方々と様々な協議をしていくことになると思いますけれども、適正な水準のものを下限値として、具体的に示していただければなと思っております。
あと先程、適正な水準というふうに申し上げましたけれども、事業期間20年の中で毎年同じ金額ということではなくても、例えば、この後共生策として、新しい代替の漁場を作りましょう、とかそういう話のハード部門の話になってくると、早い時期にそういう事業をやることがより効果を出すことになると思います。
そういう観点から、20年間同じではなく “運転開始の直後” その点はある程度手厚くしていただいて、その後決まった事業者の方と協議しながら状況を見ながらですね、減額をすると。トータルとしてその適正な水準、これいくらになるかは分かりませんけれども、そこに収まるようなそういう方法も考えていただければなと思ってます。
それと一点ですね、色々こう色んなお話を聞きますと、そのパーセンテージで提示する場合ですね、もちろん売電単価がどうなるのか、そういうので売電収入そのものも大きく変わってくるわけですけれども、当初の段階では1パーセント程度の、売電収入の1パーセントを基金として拠出していただいて、その中で早くやらなければいけないものについては早目に投資をすると。そういうのは何十年もやる話じゃありませんから、その後は例えば漁業者の不安を解消するというか、そういうものに活用させていただければなと思っています。
ちょっと話長くなって申し訳ないんですけれども、この基金を造成する理由としましては、先程、藤原先生のお話もハタハタの事由としてあったわけなんですが、「風車による魚類とか漁業への影響というのは非常に不明な点が多い」と。そういう観点から私たち漁業者というのは非常に不安を感じています。実際そこで生活してる人間にとって、最悪の場合その場が失われるというようなことになりかねないと。まあ多分ならないと思いますけれども、そういうような観点から、その基金を造成してそれなりの対応をしていただければと。
先程も漁礁効果の話がありましたけれども、そういう根付きの魚というのはそれは効果があるんじゃないかなと思ってます。
ただ一方でですね、ハタハタとかサケ、マス、そのように広域に回遊する魚に関しましてはどういう影響が出てくるのか、その話になりますと単にその風車を設置する場所でなくその後方にある海域とか、そこへの影響というのもまず考えられるわけです。
だから、今よくって言いますか時々「魚の回遊経路とか生息場所が変わればそれに対応した操業をやればいいんじゃないの」というような話も聞こえてきますけれども、決してそんな簡単な話じゃないわけですよ。場所を変えるためには海も変えなきゃいけない、獲り方も変えなきゃいけないと。
そういう点も十分考慮していただきたいと思ってます。
あとその私どもはですね、今回そういう不安もある中で、この事業については取り合えずは同意するということでここまで進めてきてますけれども、その背景としましてはやはり原子力の問題もありますし、あとは地球温暖化による環境変化、これにも非常に大きな問題があります。
私どもがその海で暮らしている人間にとってですね、最近の事例として非常に海の中が大きく変わってきていると。
例えばハタハタの事例でいけば、本来産卵するはずでない深い場所で卵を産んでみたり、あと今年の事例ですと例年6月7月に漁獲されるスルメイカが9月になって獲れ始めたとか、そいういう海の中が大きく変わってきているというのを漁業者すごく実感してるわけです。
そういうことでですね、再生可能エネルギーの重要性というのも非常に認識しているということで、不安がある中でもこの事業の推進に、現時点では同意していると、いうあたりは理解していただきたいと思ってます。
この洋上風力の必要性というのはこれまでも、エネルギーミックスとかそういう関係で資料色々出てますが、あの数字見ると、ちょっとこうインパクトが弱いような感じがするんですよ。パーセンテージもそんなに変わらないような感じですね。そのへん国の方としても、必要性をよりこう積極的にPRしていただければなというふうに思っています。
この後ですね、計画が順調に進んで工事が始まって事業が始まりますと、そこにはまず風車が存在するわけです。今までなかったものがですね。でそこでの色々な影響等も考えられるわけですが、私どもとすれば、そこにできた海、そこで生活する術を考えていかなきゃいけないと。
それのためには従来と全く異なる発想のもとに、海面の利用というものも考えていかなければいけないと思います。
もちろん、その海が漁業者の生活の場であるということではあるわけなんですが、ただそれだけじゃなく、漁業が果たす役割というものを十分認識した上で、将来のこの海域の有効な利用方策を検討進めていきたいと思っています。
今回基金というものを要望しておりますけれども、漁業者の不安を解消するというだけではなく、生産活動の支援とか、あとはその新しくできる海の恵みを、市民や県民の皆さんと一緒に享受できるような、そういった対策も併せて、その市町村の方と検討していければなと思っております。
最後になりますけれども、前回の協議会でも評価点の話が出てましたが、漁業者の配点が少ないという、それとも関連してくる話ですけれども、色々この後公募すると事業者の方が色んな計画を出してくるとは思いますけれども、実際にその選定される事業者が、私たちの信頼関係を築ける事業者であると、いうあたりを選んでもらえるような、何か公募の条件を検討していただければなと、非常にありがたいと思っておりますのでよろしくお願いします。すみません、長くなりました。
浅内漁協(能代市):すいません、ちょっと重複することあるかと思いますけれども、
まず一点は、風力建った図体あのポールですね。五島列島、私行ってきました、五島列島まで。それでまあいい話一杯ありましたけれども、現実としては、我が風力建った場合、あのテトラポッドありますよね。テトラポッドがずっと永遠に海藻とか魚がつくという保証が全くないわけですよ。今現在テトラポッドには全然、貝・海藻ついてません。5年10年なると、最初はついてあったものが現在はついてない状態が続いているというのが現状です。
何を言いたいかというと、ポールが建った時点で捨て石とか色々な面で魚がつくと言われています。確かにつくと思います。でもそれが何年続くのかというのはどうなのかということを今後お聞きしたいなと思ってます。
あと我々漁業者としては、まあ補償金ですよね。実際、弊害被るのが我々漁民です。そういう点の補償金問題が一切なされていないという一点と、あとは初めて聞きましたけれども基金ですよね。
基金はですね、あまりにも組合さんによって事情が違うわけですよ。そしてまた今現に能代市長も言われましたけれども、基金に関しては我々は反対です。ええ、漁民としては浅内漁協としてはヒアリングした結果、全員反対です。
というのは、我々漁業者に来たお金がなぜ、役所とかそっちの方に流…、まあ規模にもよると思いますけれども、どの位の規模がその管理というか、透明性とありますけれども、私はその透明性に関しては全く信用しておりません。ええ、はっきり言いまして。まあ事例がありますから。その事例を重んじて私は信用していないと。
現実としては、地域の漁業者が迷惑被るのは確かなので、これに対しての基金というのは私としても反対です。
補償金に関してもそうですけれども、我々に対する補償金ですので、それを当然我々が頂くのは当然の 権利 だと思います。
というのを言いたいです。すみません、時間がないと思いますので、はい。
座長:どうもありがとうございました。
あの得に事務局というか県の方から何か発言ございますでしょうか。
洋上風力建てられた際に今漁業への影響少なからずあるんであろうというようなことで皆様ずっとご発言されていることだと思います。
ただちょっと一つ基本に立ち戻っていただいて、そもそも「漁業操業への影響が見込まれないというところが今回の促進区域への指定」というようなお話でもございます。
言葉としてということかもしれませんけれども、漁業補償というようなイメージというよりは、洋上風力が建つことに対しての漁業との地域とのと言うんでしょうか、協調・共生というような策というような意味合いであろうというふうにそこは考えておりますので、そこら辺の意識をですね、補償、補償というようなことではないのではないかということはご理解いただければというふうに感じておりますので、そのような形で進めていただければなと。より深い議論ということでどんどんこれからこの協議会以外の場でもしっかり議論を進めていただきたいというふうに感じております。よろしくお願いします。
ただ今、県漁協からご提案のありました「基金創生」についてなんですけれども、洋上風力発電事業というのは地元住民、漁業者関係の方々から様々な不安や懸念の声がある中で広大な海域を長期に渡り占用して実施されると、いうものでございますので、やはり事業による開発利益を地域に還元していくということは大変重要な要素だと考えております。
県としましては、「基金の創生」というのは事業者による地域貢献策として非常に分かりやすい形でありますので、その規模はともかく現時点でご提案の内容については賛同したいというふうに思っております。
事務局(経産省):本日は本当に様々なご意見頂戴いたしまして、事務局として県と関係省庁とも良く相談をしながら、本日頂いた論点を整理をして次に繋げさせていただきたいと思いますが、いくつかそういう意味では本日のお話の中でも幅があるご意見を頂戴いたしておりますので、第3回に向けて、良く協議会の皆様方ともご相談させていただきながら次回本日の話も踏まえた更なるご議論をしていただけるような形でちょっと整理をしながら次の議論に繋げていきたいというふうに思っております。ありがとうございます。
座長:そろそろ時間もオーバーしていますので以上とさせていただきます。
今回貴重な意見いただきまして誠にありがとうございました。その意見を踏まえて次回以降に繋げていきたいと思います。
では以上を持ちまして本日の協議会を閉じます。どうもありがとうございました。
以上
これで、第2回法定協議会の書き起こしシリーズ①~⑦は終了です。
第3回法定協議会が開催されましたら、また記事にしていきます。
(2020/3/2に予定していた第3回協議会はコロナウイルス感染症の影響を鑑みまして延期となりました。)
★文字起こしの際、読みやすくなるよう若干整文してあります。
★どうしても聞き取れなかった箇所は***としてあります。
今回の動画はこちら↓ 2:18:26頃から
「協議会意見のとりまとめに向けて」再エネ海域法に基づく秋田県能代市、三種町および男鹿市沖における協議会 第2回 その⑥
前回の続きです。
議題(2)「協議会意見のとりまとめに向けて」
・事務局より 参考資料1について説明「長崎県五島市沖における協議会意見とりまとめ」
・能代市の意見 市長 齊藤滋宣氏
・三種町の意見 町長 田川政幸氏
・男鹿市の意見 総務企画部長 柏崎潤一氏
配布資料はこちら↓(ご覧になれる方はぜひどうぞ)
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この協議会の動画はYouTubeで視聴できます。一番最後にリンクしておきます。
座長:次に議事2ということで議事に入りたいと思います。
それではさっそく事務局より説明をお願いいたします。
事務局:はい、それでは議題の二つ目ということで「協議会意見のとりまとめに向けて」ということで、議題の(2)ということでございます。本日の情報提供等も踏まえまして、本協議会としてどのような形で今後取りまとめていくか、というときのところでございます。
その議論の参考といたしまして、長崎県の方で11月に第2回の協議会ということで開催をいたしまして、その際に長崎県の方ではいち早く協議会と市の意見を取りまとめて今現在★促進海域区域の指定という方向で進んでおりますので、これにこだわる必要は全くございませんが、議論の参考としてご紹介させていただければと思います。この「参考資料の1」ということでお手元に配らさせていただいております。
(★五島市沖は2019年12月27日に促進区域に指定されました)
簡単にご説明させていただきます。
長崎県の方では協議会のご議論も踏まえまして、また協議会の間に関係のメンバー等との意見交換等も踏まえまして、こういう形で取りまとめてございます。
全体の構成でございますが、最初「はじめに」という所から「協議会の意見」その後「留意事項」というふうになってございます。「はじめに」の所は割愛させていただきまして、最初に「協議会意見」という所でございますが、この部分が結論ということで、「五島市沖の区域において洋上風力発電事業を実施することにより、漁業操業、既設海洋構造物の運営及び船舶航行など等に支障を及ぼさないことが見込まれるものとして、別添のとおり洋上風力発電に係る促進区域として指定することに異存はない」ということが結論になってございますが、「ただし」とございまして、「指定に当たっては、次の事項について公募から発電事業終了までの全過程において留意することを求める」ということで、3. の留意事項というものについてこうしっかりと対応することを前提にこの区域での区域指定は問題ないという形の結論を出されている所でございます。
そういう意味で、この留意事項という所でご説明させていただきますが、大きな塊として(1)から(7)まで7項目ございます。
一つ目の所が全体理念、その上で二つ目の所で地域や漁業との共存、それから今お話あったような漁業影響の調査という所、それから(3)以降が事業実施に当たっての各段階での留意点といったような全体構成になってございます。
簡単に中身説明させていただきますが、まず(1)全体理念という所でございますが、当然現時点では詳細分からない部分ございますので、事業者さん、選定事業者さんについてしっかりとこの理念についてこう共有するというところを全体の大前提ということで、最初に全体理念となってございます。
最初の・(ポツ)の所で「選定事業者は、地元との共存共栄の理念について理解し、地域資源たる風と海を最大限活かした、地方創生にも資する発電事業の実施に務めること」ということ、それから「協議会の意見を尊重して事業を行うこと」、一方で協議会は「本協議会の意見を尊重して事業者が行う場合にはこれを了承するものとする」ということの全体理念となってございます。
続きまして、(2)で「地域や漁業との共存」という所でございますが、全体の理念として「選定事業者が、地域や漁業との共存共栄の理念を理解し、丁寧な説明・協議の実施などを通じて、信頼関係の構築に努める」と言うまず理念。
それから二つ目に具体的なアクションといたしまして「選定事業者は、地域や漁業との共存共栄の理念のもと、地域や漁業との協調・共生のための基金を五島市と協議の上設置すること。また基金の運用に当たっては、透明性を確保すること」というふうになってございます。
それから「漁業影響調査」、まさに今ご議論あったところでございますが、こちらについて五島市の方でも当然強い関心ございまして、「選定事業者は、漁業影響調査を行うものとし、その方法及び時期等については関係漁業者、地元大学等々の意見を聴収するとともに、その意向・助言を十分尊重すること」といったような形での取りまとめになってございます。
めくっていただきまして(3)以降の所で、まず(3)がまず「設置に当たって」の所でございます。「設置に当たって」の所については、「選定事業者が、設置に当たり、海域において操業される漁業への支障を十分考慮し、関係漁業者等々との丁寧な説明・協議を行う」ということ、それから「既存海洋構造物の保全及び管理に支障ががないように十分に協議を行う」ということでございます。
ここから先は、そういう意味では具体的なまだその計画が出てきているわけではございませんので、各段階に当たってしっかりと関係者と説明・相談・協議での当然行うようにということが順番に書かさせていただいております。
(4)で「建設に当たって」という所においても同じように関係者等への説明・相談・協議を行うことということ、それから既存海洋構造物に被害が及ばないような措置を講じなさいということ。
それから(5)で今度、実施、発電事業の自治体の風車の運転に当たってという所で同じくメンテナンスの実施といった所についても説明・相談・協議ということをしっかり行うこと、それから事業者が実施するに当たって船舶の安全の確保のためのルールを定めるということについても同じくしっかりと協議を行うということ。
それから(6)で「環境配慮事項」ということで、アセスメント関係の所につきまして、「関係法令に基づき発電事業に係る環境影響評価を適切に行うこと」、それから「選定事業者がその検討に当たってコウモリ類、海生生物等々への影響が、回避または低減できるような配慮をする」ということ、それから、海鳥の調査に関しての環境省が行っている調査を踏まえながらしっかりと予測及び評価を行い、その結果を踏まえて、環境保全措置を実施するということで鳥類への影響を回避または極力低減するということ、それから予測・評価には不確実性が伴うことから、ということで次のページの所でございますが、工事中及び供用後も必要に応じて環境監視や事後調査を実施し、必要な場合には追加的な措置を講ずることということ、それから長崎の場合、世界文化遺産との関係もございますね、こういったことについて書かれているということ。
それから(7)で現時点ではなかなか予測できないこともございますので、何か追加的なことがあった場合には必要に応じて協議すること、といったような形で、ご地元として、まあ協議会としてご了解をそれでプロセスの方に進んでいるところでございます。
繰り返しになりますが、この形である必要は全くございませんが、議論のたたき台としてこちらも使っていただきながら本協議会としてどのようなことを盛り込んでいくべきかということをご議論いただければ幸いでございます。
座長:はい、ありがとうございました。
この件に関しては皆様方から色々な意見があることと思います。そのためまずは非常に影響を及ぼすであろう能代市長様、何かご意見ございますでしょうか。
能代市の意見
能代市長:ありがとうございます。私の立場からすれば正直申しまして、能代市では「エネルギーの街」ということで洋上風力を含めてですね、再生可能エネルギーに取り組んでいるわけでありますけれども、もう一つの立場として地域代表という立場もあって、この法定協議会に出させていただいています。
その立場でお話させていただくと、一つには今まで議論されてきた中で今日はお三方の先生がお見えいただきましてお話を伺うことでご理解していただける所も沢山あったと思うんですけれども、今秋田県で一番問題になっているのが、新聞紙上をにぎわしている「潟上における電波障害」ですね、このことが法定協議会ではまだ一つも議論されていないと思っております。ですから私の立場からすれば、やはり今市民の皆さん、地域の皆さんでこの風力発電に懸念を持っている事案に対して、しっかりと今日のようにですね、専門家の方をお呼びしてお話を聞くということがまず一つ大事ではないか。
例えば前からお話してることもありますけれども、今日は「魚類への影響」とかそれから「低周波音」についてはお話がありましたが、ここの場でお話があってまだ議論されていないこともあろうかと思います。
それからもう一つ、私どもの地域の立場からすれば、事業計画を作った時の評価として都道府県知事から意見を聴収することになっておりますが、我々末端自治体の組長からは意見を聴くことになっておりません。ですからやはり地元を預かる身としては我々にもぜひとも意見聴収をしていただけないかと思っております。
それからもう一つは、先程、五島列島の話がありましたが、今日は漁業者の皆さん方がお見えでありますけれども、一番影響があるのはやっぱり漁業者の、先行利用者の中で漁業者の皆さんだと思うんですね。こういう皆さん方に、じゃあどうやって漁業補償って言ったら悪いかもしれませんが、その影響に対するですね、評価をしてそれに対してどう対応していくのか、事業者にどういう注文をつけるかというところも議論まだされていないと思いますし、先程の話では基金の話が五島ではありましたけれども、じゃあ当地域においてはこの基金というのをどう考えていくのか、それからやはりその基金というのを作っていく上において、どういう制度設計していくのか、それをどのように、漁業者の皆さんが中心になると思いますけれども、どこが管理して更にはどのように地域、その周辺地域の皆さん方にそれを還元していくのか、その辺の議論がされていないと思いますので、ぜひともこの法定協議会の中で議論していただければありがたいと思います。
座長:ありがごうございました。事務局の方から何か今の意見に対しございますでしょうか。
事務局(経済産業省):はい、あの、一つ一つコメントしていくとキリがなくなると思いますが、全くご指摘の通りでございまして、まさに本協議会としてこの長きに渡る事業となりますので、事業をしていくに当たって懸念を払拭していただきながら、まさに地域と共存共栄という形でしっかりやっていくべくということの内容について、しっかり協議をしていただければと思います。
電波障害の件についても「その専門家の意見を」ということでございましたので、こちらも前回と同様ですね、しっかりと協議会としてそういう方針で行こうということでありましたら、事務局として、適切な人選とか検討させていただきまして、次回に繋げていければと思ってございます。
座長:では続きまして三種町長様、いかがでしょうか。
三種町の意見
三種町長:発言の機会を与えていただきましてありがとうございます。実を言えば今回風力発電、うちの当町の方でも議会の方でも話題になりまして、そういう意味では大変地域の沿岸住民、町民の方も大変関心を持って注視されております。
それで先日、沿岸の自治会長さんを含め役員の方々とお話する機会がございましたので、その点について少し協議というか申し入れのような形になるかもしれませんが、お願いしたいと思います。
先程の五島市沖の協議会の意見の件も、一通り目を通させていただきました。まさにこの通りだと思っております。それでやはり地元の方では一番まず関心があるのは「景観等いろんな意味で精神的な負担があるんじゃないかということに対する地域貢献というかそういうメリットデメリットの部分をしっかり町として申し入れて欲しい」と、そういうことを言われております。
本当に当然事業者の方々がその節目節目で住民への説明会というのは当然やっているんですが、その部分では要するに「事業者の立場からいいことしか言わない」と。「もうそういうことばかり言っても我々も良く分からないし」、ということで「こうして欲しいという具体的なところを町として、こういう協議会の場で発言して欲しい」ということを強く申し入れされました。
その点についてほんとにあのこれまで色々お話出ているところは十分、分かっておりますので、重複は避けたいと思っておりますけれども、やはりあの今回電力事業をやるに当たって大変大きな発電を起こすということで、色んな意味で試算はされていると思うんですね。そういう具体的な部分をやはりあのこういう所ではなかなか発言できない部分もあるかと思いますけれども、そういう漁業者を含めてそういう方々はこういう規模の事業だという部分をしっかり伝えてですね、地域貢献としてさっき基金の話もありましたけれども、そこに反映される想定される金額とかそういう具体的な部分もお示しした方が逆に納得する方々が多いのではないかと思っておりますので、この部分も一つよろしくお願いしたいなと思っております。
あと細かい部分はこれからまた協議の中で当然出てくると思いますので、その都度また協議して、いい方向にやっていければありがたいなと思っていますので、よろしくお願いいたします。
座長:ありがとうございました。事務局の方から何かご意見は。非常に最もな意見だと思いますが
じゃあ次回以降に反映させていただきます。あと、では、男鹿市の方から何かございませんでしょうか。
男鹿市の意見
男鹿市総務部長:男鹿市の方も、行政としまして今、能代市さん、三種町さんがおっしゃったことそのままお願いしたいと思います。
特に男鹿市におきましては、まず情報不足のところがありまして、漁業に関すること、景観に関すること、騒音に関すること、本日の専門家の方のお話が聞ければこれをまあちょっとこう周知していきたいというふうに考えております。こういうふうな丁寧な説明が必要でありまして、また地域住民の方々に我々が説明する立場にありますので、こういう情報提供をですね、こう致して頂ければなというふうに思っております。
座長:ありがとうございました。
以上
次回、「基金について」、「漁業関係者の方々の発言」へと続きます。
★文字起こしの際、読みやすくなるよう若干整文してあります。
★どうしても聞き取れなかった箇所は***としてあります。
今回の動画はこちら↓ 2:02:49頃から
「質疑応答」再エネ海域法に基づく秋田県能代市、三種町および男鹿市沖における協議会 第2回 その⑤
前回の続きです。
「風車騒音・低周波音」「ハタハタの生態」「欧州における洋上風力発電」専門家への質疑応答
配布資料7、8、9はこちら↓(ご覧になれる方はぜひどうぞ)
https://www.pref.akita.lg.jp/pages/archive/46739
この協議会の動画はYouTubeで視聴できます。一番最後にリンクしておきます。
回答者:
▪日本大学名誉教授 町田信夫氏 音の専門家
▪日本海区水産研究所 藤原邦浩氏 ハタハタ魚の専門家
▪自然エネルギー財団 木村啓二氏 欧州の洋上風力発電の専門家
座長:秋田大学教授 中村雅英氏
座長:はい、ありがとうございました。それでは皆様方からご意見ご質問を頂戴したいと思います。色々あるかと思いますので、ご意見のある方は挙手をしていただくなどの合図をお願いいたします。
質問①風車騒音について
座長:では私から質問させていただいてよろしいでしょうか。
まず、町田先生にお聞きしたいんですが、騒音というのは非常に秋田県民にとっても誰にとっても関心があることなんですが、先生のお話をお聞きしますと、特に低周波ということではなく一般的な騒音源だと理解してよろしいんでしょうか。
町田氏:風車騒音についてはですね、スライドの18ページに現状の風車の騒音の傾向が書かれております。これを見ますと、やはりその感覚閾値以下は超低周波音領域でございますので、やはり問題となるのは、今、先生おっしゃられたように騒音として考えて良いだろうと、このように考えております。
座長:ありがとうございました。あともう一つ、この指針値について説明がございましたが、これは平成29年5月26日になっていますので、それ以前の風車は指針値を満たしていないという恐れがあるということですか。
町田氏:風車問題についてはですね、25ページをご覧いただきたいんですが、25ページに環境省でこのような風力発電施設から発生する騒音等の評価・指標に関する検討会、ここ25年5月に立ち上げまして、28年11月末まで議論し報告書を出したわけでございます。その結果を持ちまして、この指針値を決めたわけでございまして、それ以前には指針値のようなものはございません。
座長:わかりました。ただ、ないということはひょっとしたらオーバーしているのもあるかもしれないと・・・
町田氏:たぶん事業者がですね、それまでの色々な知見をもって、その知見から評価を結論を出していたんだろうと思います。ですから国からの指針値というのは特にありませんでした。
座長:はい、わかりました。ありがとうごいます。
あのあともう一つ、27ページの一番下の所にですね、「景観のような視覚的な要素や経済的利益も煩わしさを左右する」と書かれておりますし、直感的にもよく分かるんですが、経済的利益というとなんか露骨ですが、ようは地域のためになっているようなものだったらば、あまりちょっと煩わしさも少なくなるというふうに理解してよろしいですか。
町田氏:はい実はですね、この色んなバイアスとかまあこんなように書かれている交絡要因が実はあるんですね。風車が見えている場合の音の反応、それから見えない場合の音の、これ違うんですね。それでやはりベネフィットと言いますか、その風車によって、何か変な言葉で言うと、恩恵を被るのか、被らないのかということによってもですね、実は捉え方が違ってくる、これ現実でございます。ですから、いかに事業者がその住民に対して丁寧な説明をして納得していただくかと、そこら辺のことが非常に大事じゃないかと、このように思っております。
座長:どうもありがとうございました。やはりこれを見ますと、地域貢献というか地域活性化に直結するものじゃないと住民も納得しないし場合によっては健康被害につながると、可能性が高くなる、ですね。はい、どうもありがとうございます。
皆さん方から何か・・・
質問②騒音の距離減衰について
浜岡氏:24ページで「距離減衰」の結果を示されているんですが、これあの周波数が何ヘルツのものがということになるんでしょうか。
町田氏:これはですね、一緒くたに書かれたものでございまし、オーバーオール値でやっておりますので、周波数ごとのデーターではないんです。全体のレベルがどう減衰したかということでございます。
浜岡氏:あの想定しますのは、その超低周波はたぶんエネルギーを得てなかなか減衰は弱いのかな、逆に ※ ※ 超える様なものは速いのかなと思ってまして、先程ご説明いただいた19ページの風車騒音の測定結果を見た時に、人間の耳に聞こえないものは減衰は程度は低いけれど減っていますが聞こえてない、ですが聞こえるものは速くこう減衰するんでないかななんていうので、この結果を聞こえる音と聞こえない音と分けていくと、もうちょっと形が変わって来るのかなと思ったんですが、そのあたりはいかがですか。
町田氏:そうですね、周波数体系を分けてグラフ化するとやっぱり若干変わるかと思います。ただ超低周波音も超低周波音も音波でございますので、例えば空中のヘリコプターがホバリングして音を出していると言いますと、球面上にこう広がっていきますね。表面積がどんどんどんどん大きくなりますので音のエネルギー薄まっちゃうんですよね。ですからやはり低周波音といっても減衰するんです。ですから低音源ですと距離が倍になりますと6デシベル減衰するということになってますね。ただ先程言いましたように10ヘルツで34メートルのような波長をもった寸法のデカいものですから通常の可聴音よりは減衰しづらいということは否めないですね。
浜岡氏:ありがとうございます。
座長:よろしいでしょうか。色々と質問があるかと思いますし、少しでも皆様方の不安を解消するために積極的に質問をお願いいたします。
質問③発電コストについて
松本氏:木村様にお伺いしたいんですけれども、発電コストについてお話する時間がなかったんですけれども、資料を拝見しておりますけれども、「風車のサイズ」と「資金調達コスト」というのが発電コスト低下の大きな要因になるということで資料拝見してよろしいでしょうか。
木村氏:はい、えっとですね、まあ様々コストに関わる要素って色々あると思うんですけれども、今大きくコストの低減に効いているのが、おそらくこの二つだろうということでございます。
サイドのページ数で9枚目のスライド、こちらがさっきは「発電所の規模」と「価格」との関係を見たんですけれども、今度は「風車のタービンのサイズ」と「価格」との関係を見た図でございます。
こちらを見ると、かなりきれいにですね、発電所、発電タービン、風車の規模が大きくなることによってコストが下がってきている、ということが言えます。どういうことかということなんですけれども、10枚目のスライドを見ていただくと、年々風車の大きさが大きくなってきているということがございます。
大きくなることで何でコストが安くなるのかということなんですけれども、風車が大きくなることによって、同じキロワットを出そうと思った時に、建てる風車の本数が単純に減るわけですね。前まで20本建てなきゃいけなかったものが同じキロワットを出そうと思っても10本でよくなったりするということになるので、単純に基礎の数も減りますし、建設の工事の工程も減っていきます。
大きくすることでもう一つ何がいいかということなんですけれども、この円の丸ですね、ブレードが回る円のローター直径というふうに言うんですけれども、この円の回る面積が大きくなるということで、たくさんの風を受けることができるようになりますので、勢い発電量も増えますということになりますので、単価が下がって発電量が増えるということで、発電コストも下がるということであります。
メンテナンスとかもですね、小さい物であろうが大きい物であろうが1本1本メンテナンスしていかなきゃいけませんので、そういう意味でも、大きくなることでメンテナンスの工程も軽減できるよといったようなことがございます。
あと資金調達コストなんですけれども、これも非常に実は大きな要因でして、物だけではなくて、借り入れる時の金利であったりとか、株主資本コストというのが風力発電の発電コストにかなり大きく効いてきます。
11枚目のスライド見ておりますけれども、一番左側の図ですね。「発電コストの構成」という図がございます。色分けがしております。オレンジ、黄緑、青としておりますけれども、「風車のコスト」自体はこの青の部分ですけれども、実はこのオレンジの部分ですね、「資金調達コスト」というのが結構大きくなります。ですのでどれだけ低金利で借りるとか、株主に対する支払いもきたいげきりつも低くすることで「資金調達コスト」を下げて、「発電コスト」を下げることができます。
どうやってじゃあそういったその金利のコストを下げることができるかというと、単純にリスクですね。事業リスクが高いとそれだけ高い金利を要求されますので、事業リスクをどれだけ減らせるかということにかかってきます。事業リスクを減らすためには、政策がうまく予見性を持たせてやるということとか、或いは技術の進歩それから産業の成熟といったものが高まることによって信頼性が高まってリスクが減る。それによってコストが減るということになります。はい、すみません、ちょっとそういったところが関係してるんじゃないかというふうに思われます。
座長:ほかに何かございませんでしょうか。お願いします。
質問④海面への騒音の伝わり方
県漁協:町田先生に一つお伺いしたいんですけれども、漁業者の立場から、人体には色んな音がこう聞こえるような話がありますけれども、風車のブレードとか発電機等々の音が支柱を通って水にどの位伝わって行くのかというのが知りたいんですけれども。
町田氏:ブレードが回転する、まあそれは空力音ということになるんですが、そのハブと言いますか、今のご質問はですね、この17ページをご覧いただきたいんですが、17ページに風車のタワーが建っておりまして、その上に発電機、ブレードがついているわけでございますね。でまあ特徴的なのは、そのブレードの回転によって、ブレードがタワーを通過する際にシュッシュッというような振幅変調音が出ると。もう一点は増速機等の機械的な振動ですね。例えば回転が上手くいっていない、今あまりそういうことはないんですが、そういう振動源がタワーを伝わって基礎から水の水面に伝わるかというご質問かと思うんですが、これはですね、ゼロということではないんですが、極めてこの減衰をしますので、これは鉄柱ですので構造減衰と言いまして、減衰をしていきますので影響の出るような振動源、基礎が振動するということは普通は考えられません。
座長:よろしいでしょうか。ほかに何かございませんでしょうか。
質問⑤風車の漁礁効果について
杉本氏:これは藤原様なのか木村様にお聞きした方がいいのかよくわからないんですけれども、最後に漁礁の影響というか効果というのはわからないというご説明だったかと思うんですが、結構海外を見るとこれだけ洋上風力が盛んに行われてまして、そういう所の参考になる話というかデータとかというのはそういうものはないんでしょうか。ハタハタと多分この北海に生息する魚種によって習性とかが違うので参考になるかどうかというのはわからないとは思うんですけれども、漁礁の海外のお話はどうとかっていうのはご存じですか。
木村氏:海外での洋上風力でそういった漁礁・漁業に対する影響はどうなのかということかと思いますけれども、私自身ちょっとその辺詳しくないんですけれども、いくつかの論文で洋上風力を設置することによって漁礁効果が現れて魚がそこに集まるといったようなことが報告されているということは読んだことがございますけれども、体系的に調べているわけではございません。そういった断片的な情報で大変恐縮ですけれど、(藤原氏へ)ありましたらよろしくお願いします。
藤原氏:加えて申し上げますと、基本的にはこのようなものに関して海の中に構造物ができるという発想で言えば人工漁礁とよく似ているということで貝がついたりとかそれを食べる魚が群がって来るとかいうものの報告は日本の方でも少しありますし海外でもあるようです。
但しですね、ハタハタ、先程言ったように、居ついていればいいのかという話が実はあるので、ちょっとそこは効果とかそういう意味ではちょっと影響は分からないというのが多分やってもおそらく分かりづらいとは思うのでモニタリングを継続的にやる必要があるということかと思います。
杉本氏:わかりました。どうもありがとうございました。
座長:確か前回の時もですね、風車設置後も継続的にモニタリングはやって欲しいという要望が出されたと私は記憶しております。これについては絶対必須だと思いますので、そのようなことも業者の選定には考慮する必要があるんではないか、設置してからも継続的にモニタリングをやり住民との意見交換を定期的に行うというのがやはり必須だと思います。ほか何かございますでしょうか。
質問⑥ハタハタの産卵場への影響について
八竜漁協:さっきも先生の方からハタハタに対して基礎部分に海藻がついたりという話が出ましたけれど、ここで全部産卵してしまうと浅瀬の方には入ってこないんではないかと、それがすごく心配ですのでその辺をもうちょっとわかっておりましたら教えてくださいませんか。
藤原氏:ご質問としては、その近辺で目一杯産んだ場合にということですよね。むしろ親の方が集まり過ぎて、そこでたくさん産んでしまったら全体として問題が出るんじゃないかと。
八竜漁協:フリカツ(?)と言うような、金にならないのが入って来るんでないかと。それが心配で・・・
藤原氏:どの位の風力発電の規模で幅があるのかというのがちょっと分かりづらいので、それと産卵場は実は秋田県内はかなり大きく一帯にありますので、そのすべてがそこに集まるというような規模ではもちろんないような気がしますから、計算上はなかなか出しづらい話になろうかと思います。但し、ごく沿岸で自分たちの漁場でどうなるかというのはちゃんとやっぱり見ておかないと、先程心配された様にフリカツ(?)というのは産んだ後のもので単価が安い魚になってしまうものですけれども、そういうものだけになってしまわないかというのはちょっと心配する必要があろうかと思います。
座長:よろしいでしょうか。
八竜漁協:ありがとうございました。
座長:まだまだあるかと思いますが2時までということにさせていただいておりますので、次に議事(2)に入りたいと思います。もしも質問があればこの会議終了後に個々の先生に個々にお願いをするということでお願いいたします。
以上
次回議事(2)「協議会意見取りまとめに向けて」に続きます。
★文字起こしの際、読みやすくなるよう若干整文をしてあります。
★どうしても聞き取れなかった箇所は ※ ※ ※ としてあります。
今回の動画はこちら↓ 1:43:15頃から
各専門家の方たちの説明はこちらをご覧ください。↓
「欧州における洋上風力発電所の規模について」 再エネ海域法に基づく秋田県能代市、三種町および男鹿市沖における協議会 第2回 その④
前回の続きです。
「欧州における洋上風力発電所の規模について」
自然エネルギー財団 木村啓二氏
配布資料9はこちら(ご覧になれる方はぜひどうぞ)
https://www.pref.akita.lg.jp/pages/archive/46739
この協議会の動画はYouTubeで視聴できます。一番最後にリンクしておきます。
座 長:では3人目ということでヨーロッパの洋上風車の専門家でいらっしゃいます、自然エネルギー財団の木村様、よろしくお願いいたします。
自然エネルギー財団 木村啓二氏:
よろしくお願いします。自然エネルギー財団で研究員をしております木村と申します。今回ですね、欧州の洋上風力に関してご報告させていただきたいんですけれども、特に前回議論になった点について「発電所の規模」というのがどういった規模なのか、そういった点について少しお話、欧州の状況についてお話をしていきたいと思います。
欧州の洋上風力発電概況(2018年末時点)
一枚めくっていただいて、2ページ目、今の状況でございます。
2018年末時点の状況ですけれども、欧州ではかなり洋上風力発電が進んでおりまして、全体で1850万キロワットを既に建設されて稼働をしております。それを単純に発電所の数で割ってやると平均の発電所の規模が出てくるわけですけれども、平均の発電所の規模は今の所19万キロワットでございます。下の所で、どういった国で洋上風力発電が導入されているかということを上位5か国ですけれども、記載をしています。
イギリスが最も多く、累積の今の導入量が818万キロワットございます。2番目がドイツということで600万キロワット、その他デンマーク、ベルギー、オランダといった北海の周辺の国というのが主に洋上風力発電を積極的に導入している国だというふうに言えます。
特に、普及が進むイギリスやドイツでは、平均の発電所の規模も大きくなってきておりまして20万キロワットを超えるような状況になっています。このような状況でして今現時点の平均だけ見るとよくわからない点がございますので、次一枚めくっていただいて、推移を見ていきたいというふうに思います。
欧州の洋上風力発電所の平均規模の推移
3枚目のスライドですけれども、こちらは2000年の21世紀の頭、2001年からのものを示してますけれども、歴史的な経緯を見ますと次第に大規模化している傾向が見られます。図の見方ですけれども図の青の棒グラフ、こちらが平均の発電所の規模を示しています。2000年代、2001年から2010年頃までは割とその「実証プロジェクト」というのが多くて、10万キロワットを超えるものがほとんどないというような状況でございました。2010年を超えたあたりから「商業規模のプロジェクト」というのが増えてきて、そこから発電所の規模が20万キロワット、こういったものが越えるものが標準的に今なってきていますと、いうことです。
発電所の規模が大きくなることによって累積導入量、緑のラインですけれども、こちらも急速に増えてきております。また、まだ運転稼働していないものですけれども、建設中のものは更に大規模化しておりまして、30万キロワットから40万キロワット、あるいはそれ以上というふうに今はなってきています。
洋上風力発電所の建設海域
1枚めくっていただいて、そういった洋上風力発電所がどういった所に建設をされているかというのを示したものがこちらの図でございます。
図の見方ですけれども、図の縦軸が「水深」でございます。横軸が「離岸距離」、陸地からどれ位離れているか距離を示したものでございます。いっぱい丸があると思うんですけれども、丸の大きさが発電所の規模、大きさを示しております。色がいくつか違うかと思うんですけれども黄緑のものが建設許可済みのものです。計画中と言ってよいかと思います。黄色のものが今まさに建設を行っている建設中のもの、そして青が運転を既に開始したものということでございます。
こちらを見ていただくと、一定の傾向というのが見れるのがわかるかと思うんですけれども、やはり開発の当初は沿岸付近、水深の浅くて離岸距離が短い、或いはある種難易度が低い所、そういった所から開発が進む傾向にございました。
その他、沿岸付近の開発となりますと、今まで色々と議論されてきたかと思うんですけれども、鳥類への影響であったり景観への影響、それから沿岸地域、漁業とかされておられますしレジャーで使っていたりとか色々まあ色んな方が使っていらっしゃるということもありますので入札エリアがある程度制限されて、あまり大規模開発というのが行われる傾向にはないのかなと。
近年は、沿岸海域の制約とか技術開発とか経済性が改善をしておりまして、より水深が深い、これまでは30メートルまでと言われていたものが60メートルまではいけるんじゃないかということで60メートルまでとかですね、それから沿岸から遠い海域で大きな大規模開発が行われるようになってきたというのが見て取れるかと思います。
洋上風力発電所の規模と価格
次にめくっていただいて、5枚目のスライドになります。
こちらですね、よく言われるのは「規模が大きくなればなるほど価格が下がるんじゃないですか」というふうな事がございます。まあ確かに規模の影響というのはあるのかもしれないんですけれども、これまでですね、建設されているもの或いは建設予定のもので価格が決まっているものについて、イギリスとドイツの状況について、規模と価格との関係というのをちょっと見てみたものがこちらの図になります。縦軸は各発電所の25年間の「平準化価格」を示しています。横軸が「発電所の規模」を示しています。もし、規模が大きくなればなるほど価格が安くなるのであれば、単純に右肩下がりの傾向になるはずです。こちらの図を見ていただくとわかるかと思うんですけれども、両国において、大規模化することで価格が単純に下がるという明確な傾向というのは今のところ見られないということであります。
これは何を意味するかということなんですけれども、要は、発電所の規模…もしかしたら関係しているかもしれないんですが、他の要因が影響して価格低下に貢献している可能性がありますよ、ということです。
これについては後程時間がありましたら参考資料の方でご説明をさせていただきたいというふうに思います。
英国の洋上風力発電の開発海域入札の概要
欧州における洋上風力発電の規模についていくつか経年的***・立地・価格等をご説明しましたけれども、次に洋上風力発電を各国どういうふうに進めてきたかという点につきまして、今のところ欧州一の導入国であるイギリスを事例にご説明をしたいと思います。
イギリスでは、かなり先駆的におよそ20年前から洋上風力の開発を進めてきております。
これまで海域利用権のリースをしているんですけれども、これまで4回ほど、ラウンドとしては実施しています。
最初の「ラウンド1」で、2001年は今から20年近く前に行われたんですけれども、やはり最初ということもありまして小規模な実証的なプロジェクトを対象にして、事業者に経験と知識を身につけさせるということを目的に、18のプロジェクトが採択されています。実証的プロジェクトということもありまして平均の発電所の規模というのは8万キロワット程度でした。
それから「ラウンド2」になりまして、ようやく知見とか実績が高まってきたということもありまして商業規模のプロジェクトというのが「ラウンド2」で採択されるということになってきています。この時の発電所の平均規模が38万キロワット。
「ラウンド3」では、国のエネルギー政策の中で洋上風力発電が有望だということで国を挙げて2020年まで13ギガワット。ギガワットというのは100万キロワットの単位ですから1300万キロワットの洋上風力発電を建設しようということで、領海を越えて、経済的排他水域までリース可能な海域を広げて、18の大型プロジェクトが生まれております。大体この辺りになると平均の発電所の規模100万キロワット。
ちょうど今まさに「ラウンド4」をやっております。これは2030年を見据えて更に洋上風力発電を増やそうということで、「ラウンド4」では700万から800万キロワットの発電所のリース。発電所の規模分のリースを4つの海域で行う予定にしております。
「ラウンド4」で特徴的なのは、リースを行う4つの海域でバランスよくプロジェクトを採択するということを検討しています。事業者に、1事業者が全部を取ってしまわないように、偏りが生じないように、1事業者で取得できるプロジェクトの数とか規模、そういったところを制限をしています。
これの心は何かと言いますと、やはり市場の多様性を維持して事業者同士の競争環境を将来にわたって確保していくと、いうためかということです。特にイギリスでは2014年から入札制度を導入をしていますので、入札を行うためにはいろんな事業者が競争していただかないと入札にならないわけですので、そうした事業者間の競争環境を政策的に確保するためにこういったバランスを取っているということかと思います。
まとめ
まとめですけれども、欧州ではこれまでお話してきたように、かなり長い期間に渡って長期的な導入計画を掲げて段階的かつ継続的に洋上風力発電の普及拡大に取り組んできたというふうに言えます。
今回のご報告の主題であります「発電所の規模」につきましては、発電所の技術であったりとか産業の発展段階、こうしたものと相まって進んでおりまして、足元で運転開始しているものは20万キロワット位で、建設中のものが40万キロワット以上ということで、全体の方向としては大規模化の方向にあるんですけれども、それが段階的に進んできているよ、ということが見て取れるかと思います。
またその洋上風力発電を進めるときに、先程も言いました通り、当初沿岸部から開発されていったわけなんですけれども、そういった海域を設定する際にはもちろん海域を利用される様々な利害関係者の方との調整とか環境影響等はしっかりと考慮されているということでございます。
リースされる海域の規模も、風力発電産業の発展段階に応じて段階的に拡大されてきたということでございます。特に、入札制を導入してからは事業規模の上限といったものを入れていって寡占的にならないように市場の多様性を維持して競争関係を確保するんだということも考慮されるようになってきているということでございます。
これまで欧州の知見を若干ご説明させていただきましたけれども、日本においても海域の設定とか入札規模等をご検討される際に、こうした事例というのがご参考になればというところでございます。
ちょっともう時間がないですね。なので後程のコストの話は参考資料でさせていただきますので、以上で終わらせていただきます。ありがとうございます。
座 長:はい、ありがとうございました。質問を頂戴したいと思います。
以上
次回「質疑応答」に続きます。
★ 文字起こしの際、読みやすくなるよう若干整文してあります。
★ どうしても聞き取れなかった箇所は ※ ※ ※ としてあります。
今回の動画はこちら↓ 1:29:07頃から
「ハタハタの生態」再エネ海域法に基づく秋田県能代市、三種町および男鹿市沖における協議会 第2回 その③
前回の続きです。
「ハタハタの生態 ~沿岸浅海域の利用状況~」
日本海区水産研究所 藤原邦浩氏
配布資料8はこちら(ご覧になれる方は是非どうぞ)
https://www.pref.akita.lg.jp/pages/archive/46739
この協議会の動画は YouTube で視聴できます。一番最後にリンクしておきます。
日本海区水産研究所 藤原邦浩氏:
ご紹介ありがとうございます。日本海区水産研究所から参りました藤原と申します。
私のほうの組織としては国立研究開発法人ということで本部は実は横浜にあるところです。
ただ秋田県水産振興センターさんと共同で色々ハタハタの調査をやっている、そういう日本海全域の方の担当をしております。どうぞよろしくお願いします。
日本海の代表種 重要底魚資源
では始めさせていただきますけれども、ハタハタ、今日は漁業者の皆さまがおられるということで、私から言う話でもないんですけれども、もう皆さんご存じの通り、秋田県では極めて重要魚種とされておられます。この12月などの非常に時化(しけ)が強い時期に波が多くてなかなか沖に出られないような状況の中で、ごく沿岸に唯一来遊する大きな資源ということで、雷音が鳴る所の魚偏に雷と書くような字もあると同時に、そういうキツイ所の海の恵みということでハタハタというのは魚偏に神と書くこともあるということになっております。ひとつ唯一戻りますと底魚(そこうお)資源という表現が実はありまして、これはあくまで底の方につく、ハタハタ、砂に潜る習性があります。それで、そういう資源であるというふうに一応お伝えします。
秋田県 定置網船の水揚げ
2ページ目をご覧ください。
同じく秋田県男鹿半島周辺の12月の状況を振興センターさんの顧問さんより写真をいただいておりますけれども、小さい小舟がこのような形でごく沿岸で漁をするというのが季節ハタハタ漁として有名です。各地で人が集まってくるような状況で半分僕は見せていただいた当時なんかはすごく田舎の小さな地域でもお祭り騒ぎのような状況になるということで、秋田県では極めて重要ということはよくわかるかと思います。
ハタハタの生息域と産卵場
では3ページ目ご覧ください。
秋田県が極めて重要というふうにはあるんですけれども、ハタハタ、実は生息水域は思った以上に大きくてですね、北海道の周辺にもいますし、遠くは韓国の東岸にもハタハタはいます。日本海全域で基本的には重要資源とされていると、いうところです。
ただし、秋田県が極めて重要だというのは、生態に特に「産卵」というところで重要になりまして、秋田県は男鹿半島周辺を中心とする「大産卵場」のできている所というところです。日本海全域で言えば、まあ地域的には少しはあるんですけれども、小さいものはありますけれど、同じ容量で大規模に産卵場があるというのは、韓国の東岸38度線ぎりぎりのラインの辺りにあるということが知られています。
こういうの資源管理などをするためには、その産卵場由来の遺伝的なところも調べた上でおよその範囲の中でやるんですけれども、そういう意味では日本海の方は、この韓国東岸の群れと秋田周辺で生まれた群れ、この「ニ大産卵場に由来する2系群」という表現があるんですけれど、それに存在、それを管理している状態になります。「日本海西部海域」という表現があって、能登半島以西から島根県沖までは実はこの両群が来遊するという形で混在してしまうので別途扱わざるを得ないと、いうところになっていると、そういうようなかんじになっています。
ちなみに韓国の東岸は定置網ではなくて刺網で多くが漁獲されているということになっています。
ハタハタの生活史および生活年周期(模式図)
4ページ目をご覧ください。
今みたいに広域にいる魚種でもあるんですけれど、「ハタハタの生活史及び生活年周期」という《模式図》を作りました。
「生活史」というのは一生涯のことを言います。魚の一生涯のことを示す場合に言います。寿命はおよそ5歳と言われているのが後で出てきます。
「生活年周期」という表現は、一年間どのような形で生息するか、というようなところを示しているということです。こちらの図は基本的には小さいものから大きいものまで全部書いてあるので生活史っぽいですけれども、あくまで「生活年周期」の図になろうかと思います。
藻場、先程写真でお見せした、ごく沿岸には藻場がありまして、そこに卵が産みつけられて1月2月ごろに孵化をして、その後、浅い方からどんどん深い方に向かって行って、水深200メートルよりも深い方に半年位で入って行きます。水温で言うと3℃位になろうかと思います。その後大きく回遊をしまして、春・秋と、成魚などで各地で底魚の重要資源として使われます。最終的には成熟をして、大体2歳以上になりますけれども産卵期のみ、ごく真冬にまた藻場に帰ってきて産卵をすると。このような形で秋田県のごく沿岸を利用しております。
日本海北部のハタハタ漁
では5ページ目ご覧ください。
5ページ目は、改めて漁業としてどういう資源なのかというのを写真でご説明をしています。
秋田県男鹿半島は先程の写真の通りで、これは定置網というところのものです。右下はちょっと見にくい写真ですけれども、ハタハタの定置網というものが敷設されている図になります。左に堤防があるのがわかるかと思いますけれど、ごくごく本当に沿岸で漁をしているという典型例になっております。それ以外のところの特に12月以外の季節には実は水深200メートル以深に存在していまして、佐渡周辺などの写真を出していますけれど小型底びき網という、底びき網漁業で漁獲をされています。
日本海西部のハタハタ漁
更に6ページ目ご覧ください。
能登よりも西側にもいるという話、これは秋田県生まれがどの位いるかとか、韓国東岸 のがどの位いるかが未だによくわからないという状態で遺伝的には実は分けようがないというものでも混在しているんですけれども、そちらの方では隠岐の周辺海域は鳥取県、兵庫県の沖合底びき網は多く漁獲をしておりまして、能登半島周辺、若狭湾では小型底びき網のやはり200メーターから500メートルで獲られています。
日本海におけるハタハタの漁獲量の推移
では少しだけ7ページ目ご覧ください。
よくハタハタは禁漁もあって、秋田県の禁漁も全面禁漁もあって、漁獲量の推移などを見て資源の話をしているので私どもの方では資源評価というものもやっておりまして、そちらの図になっております。
これは日本海北部というのが秋田県が含まれる新潟、青森から新潟の海域。太い線になっているのが石川県から島根県の日本海西部、そして韓国の漁獲量と、1955年頃からの統計がありまして、このように非常に1970年代に多く獲れていたにもかかわらず、特に日本海北部などは1990年代の前半に0(ゼロ)に近い状態になったと。これで全面禁漁を秋田県さんがされて、その後ある程度回復をしていると、いう図になっております。ただしこれ、漁獲量です。今現在は漁船隻数が1970年代に比べると大幅に減っていまして、半分から3分の1になっていますので、これではさすがに資源量の推移としては不適切というふうに考えられます。
ということで、資源評価の方では8ページ目ご覧ください。
別途統計があるものを個別に見るという形をとっておりまして、日本海西部の方では先程の「底びき網漁」の漁獲成績報告書というものがありまして、そちらの漁獲情報を基に同じように資源動向を見るような形の図になっております。これでもまだまだ不足があるんですけれども、現在は西部の方では比較的高い所で安定している状態になっていると。ただし、一番最近年までの情報まで使える《調査船調査に基づく》ものとして「減少」と書いていますけれど、動向というのも判断していまして、直近5年で説明をするんですけれど、そういうものは現在は「減少」になっています。日本海北部の方は図から示しますと「中位・増加」という表現になりますけれども、調査船動向で見てもこのような高い数字で動向は増加ではないんですけれど基本的にはこのような図になっていると。この辺は更に近年、定置網の量が非常に減っているというのも重々承知しておりまして、感覚的にズレがあるというところはあろうかと思います。その辺は資源評価の方にどんどん反映をしていくべく水産振興センターさんと協力して今続けています。今日は資源評価の話ではないので次に移らせていただきます。
夏に資源調査を実施
9ページご覧ください。
このようなものの関係で夏に資源調査という、いわゆる分布調査をさせていただいていまして、資源量を直接的に推定するというもので、日本海西部はほかの魚種も含めますので、色々な調査点があるんですけれども140点、日本海北部は近年2016年からスタートしていますけれども50点ほどの定点で調査をしています。今日この分布図をお見せしたかったんですけれども、一応まだ公表できていないものですので、今日は差し控えさせていただきます。
年齢と成長(体長・体重)
そのような分布調査をしながら、10ページ目をご覧ください。
そういうもので獲れたものの年齢を推定を観察等でやります。ハタハタの耳石(じせき)というのが左にありますけれども、これは頭部にある三半規管のような所にある骨なんですけれども、これを使ってこれを輪切りにすることで木の年輪のようなものがありまして、それで調べた結果です。そうなりますと寿命は5年程度と言われてまして、体長でいうと尻尾のない状態の数字ですので、手の平よりもかなり大きい状態でようやく5年ということになります。だいたい10センチ位で1歳。15センチ程度で2歳。秋田県産なので3歳にかなり近い位の180ミリ位のものが2歳のギリギリいっぱいのような魚種がいっぱいあるというかんじです。3歳、4歳と、漁獲の主体は2歳から4歳と設定しています。
ハタハタの分布回遊(模式図)
11ぺージご覧ください。
分布図、今日お見せできませんでしたけれども、分布等をあと漁獲状況を加味しまして模式図を、ハタハタの水平的な分布回遊を模式図に示しました。基本的には0歳で生まれて、秋田県の近辺で生まれて1歳2歳となっていきながら南下するということが知られています。特に0歳と1歳の、実は南下状況はまだ未だにわかっていないんですけれども、1歳が周辺多いのはやはり能登周辺海域と隠岐周辺海域ということになっているのでこのような図になりまして1歳2歳で、オスは1歳、メスは2歳で成熟を始めるので、それで産卵場に配置するという形の図になっております。実は大和堆(やまとたい)という所でハタハタ、実は存在していまして、水深500メートル位までしか分布しないんですけれども、それよりも深い所が大和堆に行くにあたってはあります。なので実は中層を泳いでいるであろうというふうに言われているんですが、今現在それは調査中という形になっています。このくらい実は水平分布もよくまだわかっていないことがいっぱいあるということです。
ハタハタの資源生態と研究進捗
12ページご覧ください。
ここまでの話としてハタハタの資源生態とそれにまつわる研究進捗というところを簡単にまとめました。
実は日本海全域にいる魚であるということと、水深200から500メートルが基本的な中心の分布です。ただし秋田県沿岸には産卵場、もしくは生まれたての状態でごく沿岸に来遊していると、出現しているというのが大きな特徴になっています。
大産卵所は2系群。日本海北部系群は秋田周辺で生まれて南下をして成長と共にまた北上して産卵という形ですが、明確になっていないところもいっぱいあります。
簡単にまとめてしまうと、「秋田県沿岸にいるのは、親の産卵期12月前後である」ということと、「子どもの場合は生まれたての1月5月ぐらいにいる」ということになるかと思います。
もちろん風力発電はごく、ごくごく浅い水深30メーター程度ということをお聞きしていますので、そう考えると5月までいるかと言われれば、確かにいないと思いますけれども、その辺は実はよくわかっていないのも確かです。
研究途中としては、日本海の中層域も泳いでいる可能性がありますけれど、その辺がわからない、一部の南下の状況もわからない、というところで現在調べていまして、こういう海のフィールドで調べるものというのは水温や潮流(海流)、分布回遊等で程度しか関係性を見れませんので、そこを見ようとしています。ただその辺にすごく強く影響されている魚種であるという可能性は高いと考えています。
資源変動は極めて緩やかなんですけれど、ごく数年で結構動きますので、稚魚に何か影響を与える場合は非常に問題があろうかと思います。そういうところも少し気にしておく必要があると思っています。
秋田県周辺におけるハタハタの鉛直的分布の模式図
13ページご覧ください。
※ ※ ※ の所で秋田県の周辺のハタハタの今度は鉛直分布、最初によく似た図に出てましたけれども調べております。これもお借りした図ですけれども、水温も関係している所、ちょっと少し赤印で書いております。水温の影響を見ながら実は分布が見られるというところが大きくおもしろいところであると同時に、稚魚の頃の成育場として※ ※ 生まれて保育場として極めて重要と考えられます。
ハタハタの沿岸浅海域の利用状況
14ページに少しその話をまとめました。
「分かっていること」という所は、先程お伝えした通りです。
産卵期の沿岸の水温は、実は14℃以下にならないと産卵に来ないという結構極めて限定的な数字が実はわかっています。あと稚魚が13.2℃以上には分布していなかったという知見があります。
浅海域の「鉛直水温」が色々変わる状況が起こりえるのであれば「分布水深」というのは極めて重要で、その後の大きく回遊するタイミングとかをズラしてしまう可能性があるので、ある程度のモニタリングが必要と思っています。
ということで、ここまでで一応資料は終わりになりますけれど、最後に簡単に少しだけ海上風力発電の影響ということも少し気にする必要があるんですが、現状私から言えることは私が分野が少し違うというというのもありますけれども、「ハタハタへの影響は解明されていない」というのが現状だと思います。「ハタハタの生態としては、産卵場・保育場として利用していることを加味して色々調べる必要があろう」ということです。
更に風車の土台のような所が漁礁のような効果があると、人工漁礁のような効果があると、ある知見ではあると言われているそうですので、どのようなものが集まっているのか、ハタハタはそこに居つくのか居つかないのか。実は居ついたからといって良いわけではないと僕は思います。広域魚種ですので、出ていかなければ本来いけないものが居つきますので、それは問題になるかと思いますので、そういうことをふまえてモニタリングが少し必要であろうということです。
更に言えば、ここで言うとモニタリングと言ってもなかなか難しいので、漁業との協調という観点でデータの潮流(海流)だとか水温だとか、そういうところ生物がどの位いるのか、それは観測ブイやカメラなどでリアルタイムに情報を出すということもあっていいのじゃないかということです。以上で終わりたいと思います。
座 長:はい、ありがとうございました。では3人目ということでヨーロッパの洋上風車の専門家でいらっしゃいます自然エネルギー財団の木村様、よろしくお願いいたします。
以上
次回に続きます。
★文字起こしの際、読みやすくなるよう若干整文してあります。
★どうしても聞き取れなかった箇所は※ ※ ※としてあります。
今回の動画はこちら↓ 1:10:28頃から
「風車騒音と超低周波音」再エネ海域法に基づく秋田県能代市、三種町および男鹿市沖における協議会 第2回 その②
前回の続きです。音の専門家による説明。
「 風力発電施設における騒音及び超低周波音について」
日本大学名誉教授 町田信夫氏
配布資料7はこちら(ご覧になれる方はぜひどうぞ)https://www.pref.akita.lg.jp/pages/archive/46739
この協議会の動画はYouTubeで視聴できます。一番最後にリンクしておきます。
日本大学 町田信夫名誉教授:
ただ今ご紹介いただきました日本大学の町田でございます。「風力発電施設における騒音および超低周波音」ということで題をいただきましたけれども、15分程度ということで、短いんですが、資料は盛沢山作ってきました。34ページですので説明しきれない所もあるかと思いますが、ご容赦いただきたいと思います。ポイントだけ説明していきたいと思います。後で何か資料として、この今日のパワーポイント資料、ご覧いただいてもよろしいかと思います。
さて、今日お話したいのはですね、「『超低周波音』あるいは『低周波音』についてご懸念される方されている方いらっしゃるということで、こちらのほうの話してくれないか」というお話がございました。それと「風車騒音問題」についてですね、今現状どうなっているかということをお話をしていきたいと思います。
音 波
では3ページご覧ください。右下にページが、消えている所もありますが、順番になっております。
この辺は、音というのは何かということなんですが、結局こういう大気圧下における「微小の圧力変動」ということでございます。
音の種別
さて、4ページをご覧ください。
音というのはですね、今の音波の中で人間が感じる、音として感じる、というものを音と言うわけですね。さて我々の身近には、この一番左のほうの「超低周波音」、1ヘルツから20ヘルツという周波数でございますが、この「超低周波音」(インフラサウンド)と呼ばれている音がございます。これはISOの7196という規格で周波数範囲が決まっているわけでございます。
一方、通常情報伝達等に使われる「可聴音」、これが通常20から2万ヘルツと言われているわけです。その中で「低周波音」と言われているのは、わが国、環境省では1ヘルツから100ヘルツ程度ということでございます。ただ昨今、IEC国際電気標準化会議でですね、この左下のJIS Cと書いてありますが、20ヘルツから100ヘルツを「低周波音」と言いましょうと、それから20ヘルツ以下を「超低周波音」と言いましょう、ということがIECの方で提案されていまして、日本のほんやくじつ(?)もこの周波数範囲を踏襲しているわけでございます。ただ「低周波音」は、これ各国によって周波数範囲がまちまちですので、そこら辺はお気を付けいただければと思います。
さて右に赤字で書いてありますが、風力発電事業を経産省の主務省令で「騒音は20ヘルツから100ヘルツの周波数の音を含む音」それから「超低周波音は20ヘルツ以下の音」なんだということで「低周波音」の用語を用いないということが主務省令で出ているわけです。まあちょっと周波数範囲については、混乱をされると思いますが、環境省でいいます「低周波音」は1から100ヘルツ、「超低周波音」は1から20ヘルツとご記憶していただければよろしいかと思います。
一方、特徴的な事を右上の四角に囲ってありますけれども、10ヘルツという「超低周波領域の音波」というのは、実は34メートルもあるんだということですね。「音というのには寸法がありますよ」ということを、ぜひ頭の隅に置いていただければよろしいかと思います。
ですから低周波数の音というのは、大変大きな、目には見えないんですが大きな音なんだということになります。
低周波音はどこにでも存在する
5ページご覧ください。
さて、では「低周波音」というのは我々の身近にあるんですか、ということになるんですが、このようにですね、どこにでもあります、「低周波音」というのは。それで、例えば我々が利用する車、乗用車内ですね、乗り物の車内なんですけれど、このように比較的大きな、物理量で言いますと100デシベル程度の音。これは「可聴音」ですと、うるさくてたまらないような音なんですが、こういうものも存在するわけですね。なぜわからないのかと言いますと、周りのその他の雑音によってマスキングされているんだ、ということで、特に「低周波音」というのは珍しいものではないんですよということですね。
新聞報道に見る低周波音の取り上げ方
次に6ページをご覧ください。
実はこの辺がですね、「低周波音問題」起きたの、もう40数年前からなんですが、この上の方の読売新聞、これは秋田県のちょっと山里の地帯なんですが、このようなダムを造ったためにですね、水脈と堰との間に空洞ができまして、これが太鼓の役割をしまして「超低周波音」というのが発生したわけでございます。それで「超低周波音」というのは「不気味な音」なんだとかですね「怪現象」とかですね、こういうマスコミ報道もございまして、少し誤解がされたというところもあるかと思います。
人と物では、低周波音に対する感度に違いがある
では7ページをご覧ください。
スピード増して恐縮ですけれども、実は「超低周波音」は1から20ヘルツ、「低周波音」も20から100ヘルツ、我が国ではございますので、実は人間の感覚の音としては、大変気が付かない音なんだと。この家屋内の住人は「置物はガタガタ揺れているけれど、音もないのに何だろうか」と言う。やはり不気味さを覚えるかもしれませんね。これは「低周波音」の作用ということになります。ただ原因がわかればですね、なんてことはないということになります。
騒音の人体影響について
では8ページをご覧ください。
では我々音を聞くと、どんなルートで反応が現れるんだろうかと。「人体影響」、影響と言いますと悪いイメージが強くあるんですが、影響の中には良い影響も当然あるわけですね。通常、反応という場合もございますが、耳の方に、騒音が耳にやってきます。あまり大きいと難聴という問題があるんですが、そうでもなければですね、このようなルート、矢印のルートを辿って、精神的「うるさいな」とかですね、あるいは「やかましいな」というような反応が、こういうルートで現れるんだ、ということをなんとなく覚えていただければよろしいかと思います。
人体反応(影響)発生機序
次の9ページをご覧ください。
9ページ、これもですね、ちょっとややこしい図で恐縮なんですけれども、後でご覧いただければと思いますが、先程の「音」というのは実はストレッサーとよく言いますけれども、まあストレスというのは我々の反応のことを言いますけれどもね、ストレッサーこれが先程の脳の図のもうちょっと細かく書いたこのマップって言いますかね、図なんですが、聴覚系の音を感じると、こういう流れで自律神経系の影響があってストレス反応として心臓が少し鼓動が高まるとか、そういうことが起こるんだと。昨今この聴覚系以外で、「前庭器官に直接働きかけがあるんじゃないか」とこういうことをおっしゃる専門家の方もいらっしゃるんですが、まだそちらの方はよくわかっておりません。
低周波音の苦情について
では10ページをご覧ください。
では今までどういう苦情が現れてたかと言いますと、この「心理的苦情」「生理的苦情」「睡眠影響」「物的苦情」------ 先程のガタガタですね、家屋のガタガタというのは ------ こういう苦情が出ております。いずれも「音圧レベル」が高くないとですね、まあこういう苦情は出てこないんですけれども。
これは苦情なのか、「低周波音」による苦情なのかどうかというのは、下の囲みの中の、環境省から出されている「低周波音問題対応の手引書」の参照値を見ることによってですね、見当をつけることができると、見当付けができるということになるわけでございます。
騒音(低周波音)・超低周波音の大きさの表し方
では11ページをご覧ください。
よく「低周波音」、あるいは「超低周波音」の大きさを測る量として「音圧レベル」という量があります。これは〈物理的な大きさ〉を表すものでございまして、このような式でやります。計算します。
それからもう一つ「G特性音圧レベル」というのがございまして、これは「超低周波音」1から20ヘルツの〈感覚的な大きさ〉です。これは物理量じゃありません。じゃあどんな測定をするのかというのが12ページでございますけれども、12ページにカーブがございまして、G特性というのがございますね。このような1から20ヘルツに限ってこういう人間の〈聞こえる〉〈感じる〉〈感じない〉という感覚をこのグラフ化したものでございます。従いまして、このG特性という1から20ヘルツの重み付けを考慮したものが、この「G特性音圧レベル〈感覚的な大きさ〉」というものでございます。これはG特性というのは必ず1から20。このグラフは、1ヘルツ以下とか20ヘルツ以上も引いてありますけれども、これは騒音計の回路を作るための特性でございまして、人間の感覚とは一切関りがございません。
低周波音の閾値(最小可聴値)
では13ページをご覧ください。
ではどの位の音の大きさがあると感じるのかと言いますと、これが我々の平均値です。10音制限ある音を聞いた時、どういう音の大きさ、どういう低周波数、どういう音の大きさがあると感じるか、というその線でございまして、10ヘルツの場合は95デシベル程度のレベルがあると感じると。ただこれは個人差がございますので、この線で線上で必ずしも感じるわけではございません。敏感な人は-5デシベル、鈍感な人は+5デシベルというように、10デシベル位の幅があるんだということになりますね。まあ下はガタつきの物的ですので省略いたします。
低周波音に対する人の感覚閾値・建具のがたつき閾値と影響評価の考え方
では15ページをご覧ください。
ということで、まあこの「低周波音」に対する人間の影響評価をするには、やはり感覚閾値あるいは建具のガタつき閾値というものが基本になるわけでございます。このグラフがこの二つ図に書いてありますけれども、皆さん方が機会があってですね、「低周波音」測定した時にどういう領域に入るんだろうかというところを、このグラフから見ていただきますとおよその見当がつくということでございます。
風車騒音の問題の捉え方
それでは次に騒音「風車騒音問題」の捉え方という所にいきたいと思います。16ページになります。
さて、「風車騒音」というのは、風車そのものから出る音、発生源ですね、発生源側、それが洋上風車ですと海上伝搬、陸上風車ですと陸上伝搬して受音側、家屋の我々の住まいの所に〈伝搬〉してくると。ここでは、受音側の問題について、これからいくつか述べていきたいと思います。
風力発電施設(風車)の構造
では17ページご覧ください。
皆さん方に言いますのは、この図を説明するのはちょっと恐縮なんですが、これが風力発電装置の構図、発電施設の構造でございまして、音源はどこかと言いますと、ブレードですね。ブレードが回ることによって空力音、空力的な音が出る。それからこの中に発電機がついてますね。増速機等がついております。ギアがついております。機械の駆動、これが音源の主なものとなります。ただ機械の駆動音はですね、最近大変よくこの風車も進歩してきましたのでだんだんと機械の駆動音というのが少なくなってきているということでございます。
風車騒音の測定結果
では18ページをご覧ください。
さて、全国29の風力発電施設の164箇所の実際の風車の音を測定しました。それを全データをこのようにプロットしましたら、このように細かい黒くたくさん塗ってある所がそうなんですが、こういう分布になりました。それで、この斜めに引いているブルーの線が先程もちょっと申し上げました人間の感覚閾値と。このレベルまでいかないと人間感じませんよというレベルになります。そうしますとですね、「超低周波音」1から20ヘルツ、縦に赤線で引いてある領域ですが、これは感覚閾値以下になるんですね。「超低周波音」あるんだけれども、まあ感じないということになるわけですね。一方閾値より若干上のものはこれは当然感じると。環境条件によっては感じるということになります。
従いまして、「風車騒音」というのは知覚できない「超低周波音」ではなく、通常可聴周波数範囲の騒音の問題なんだと。このように考えて良いということになります。すなわち「可聴音」というのは20ヘルツ以上ということになります。
受音点(地域)の風車騒音の測定について
では19ページをご覧ください。
さて受音点、我々が住まいしている所なんですが、そこでの「風車騒音」がどの程度あるかというところを測定しないといけないということになりまして、その「風車騒音」と一口で言いますけれども、「風車騒音とは何か」というと、上に書いた二行でございます。「地域の残留騒音に風力発電施設から発生する騒音が加わったもの」ということになります。風車そのものだけじゃありませんで、環境の音が加わったものが「風車騒音」というふうに定義をしているわけでございます。
ということで、よく暗騒音といいますけれども、暗騒音と残留騒音とは若干違いますよというところですね。地域の環境騒音というふうに覚えていただければとよろしいかと思います。
風車騒音の特徴
ではちょっと一つ飛びまして21ページをご覧ください。
21ページですね、「風車騒音の特徴」ということなんですが、いずれにしても静かな場所にですね、「風車騒音」が到来するということになるかと思います。発生する音の特徴、さっき装置の所でもお話しましたけれども、ブレードの回転に伴って発生する空力音、シュッシュッといったようなスウィッシュ音とも言いますし振幅変調音とも言います。
それからもう一つは「純音性」の、先程の増速機、機械装置から発生する音ということになります。
振幅変調音(AM音、スウィッシュ音)
22ページをご覧ください。
今日パワーポイントを使っておりませんので、本来、実は実音がありますので、このような波形、実際にお聞きいただければよろしかったんですが、ちょっと今日は残念でございます。こういう圧力変化、騒音レベル、まあ間欠音が スウィッシュ音として出てくるということになります。
純音性成分が含まれる風車騒音の例
では23ページご覧ください。
23ページなんですが、先程の「機械装置から発生する音というものが家屋内にやって来るとどういう特徴があるのか」と言いますと、左の図をご覧いただきますと、これは横軸〈周波数〉、縦軸〈音圧レベル〉、周波数の分析をした図でございますけれども、上に凸になっている所がございますね。このように「純音性成分」がありますと上に凸になる。これは200ヘルツが卓越しているということで、こういう閾値以上の「純音性成分」があると、やはりちょっと気になるな、まこういうことになるわけでございます。
風車から測定点までの水平距離と風車騒音の関係
それから24ページをご覧ください。
風車から水平距離でですね、距離が離れると当然のことながら「低周波音」と言いましても通常の音と同じ音波でございますので減衰をするということになります。これが減衰の様子が図として表しているわけでございます。
風車騒音の人体影響
では25ページご覧ください。
あと3分ほどいただきたいと思いますが、「風車騒音の人体影響」につきましてはですね、下の囲みにございますように環境省で「風力発電施設から発生する騒音等の評価手法に関する検討会」 が開催(平成25年5月~平成28年11月 )、すでに終わりましたけれども、開催され報告書を出されていることを皆さん方はご存じのことと思います。それで、このような内容で調査をしまして、その結果ですね
26ページをご覧ください。
「風車騒音の人体影響」について(その1)でございますが、「風車騒音による影響」、「風車騒音のレベルとわずらわしさ」、まあアノイアンスというのはわかりづらい言葉なんですが、邪魔感とかですねうるさいとかそういう意味でございますが、こういう感じる程度の間に統計学的に有意であるというようないくつかの論文はすでに報告されております。
一方、「睡眠影響」について「風車騒音レベル」との直接的な関係、要するにわずらわしさ(アノイアンス)の程度が上がる結果としての間接的な断片的な関係性がありますけれども、量反応関係と言いますかね、その関係性の可能性を示唆する知見というのは若干報告されております。ただ「睡眠影響」との関連の科学的根拠というのは限定的だということでございます。
では27ページをご覧ください。
「風車騒音の人体影響」について(その2)でございますが、やはり赤字の所ですが、アノイアンス(わずらわしさ、うるささ)を増加させる傾向にあります。特に「風車騒音」が、我々の環境で35から40デシベルを超過すると、このわずらわしさの程度が上がるんだと、睡眠への影響のリスクも増加させる可能性があるということが示唆されております。それから次は、こちらは先程申し上げた通りでございます。
風車騒音の評価(指針値)について
それに対しまして環境省でですね、「風車騒音」の「評価」(指針値)というものを既に発出しておりまして、28ページをご覧ください。
要するに、我々が住まいしている環境騒音、すなわち環境の音、残留騒音からプラス5デシベルという程度が限度ですよということを言っています。ただ住まいする環境がですね、著しく静かな所もございますね。例えば30デシベルあるいは40デシベル以下というような所はプラス5デシベルにしますとシビアな「指針値」になってしまいますので、これは下限値ということで、30デシベルを下回る場合35あるいは40デシベルというものを下限値として設定しているわけでございます。
風力発電施設騒音の評価(指針値)の算定
それでは29ページをご覧ください。
さてその残留騒音が「風車騒音」を「評価」する一番の基礎の音になるんですが、実際その身近な所で測定すると、時々自動車が通るとかですね、一過性の音が入ることがございます。そういうものは当然除外してですね、そういうものがない本来の住まいする所の環境騒音ということになるわけでございます。それから5デシベルということになります。
指針値(評価の目安となる値)策定の趣旨
ではこの「指針値」はなぜどのような理由で測定されたかという趣旨でございますが、30ページでございます。
やはりその「風車騒音」によってですね、生活環境への影響を未然に防止したいということで、決めたわけでございますけれども、すると「風力発電施設の設置事業者及び運用事業者等による具体的な対策実施等に活用するとともに、地方公共団体による関係する事業者や住民等への対応の際の参考とするもの」ということで、一定規模以上の風車を対象としますよ、ということでございます。
またこれらの「指針値」というのは場所によって当然違いますので「全国一律の値ではありません」ということにご注意いただければと思います。
「指針値」と「騒音に係わる環境基準」との関係
31ページご覧ください。
「指針値」と「騒音に係る環境基準」というものがございまして、「指針値」は先ほど申し上げましたように、生活環境への影響を未然に防止するためのものと。
それから「環境基準」というのはですね、ここにアンダーラインを引きましたけれども、生活環境保全し 、人の健康を保護する上で維持されることが望ましいものということで、当然@マークがありますが両者では性格や位置づけが異なりますということになります。
下の緑の所ですが、その他、騒音についての環境基準を満たしている場所においても、健康被害の苦情等の発生事例があることにもやはり留意しないといけない。
これは人間個人差がございますので、やはりその丁寧な対応が必要だろうというこでございます。
指針値に関する留意点
「指針値」に関する留意点、これは今後、更に色々な研究調査が進めば、また「指針値」を見直すということもあるかと思いますけども、現状では、「指針値を超えない場合であってもですね、地域の音環境の保全に配慮して可能な限り風車騒音の影響が少なくなるように事業者は対策を講ずるよう努めることが必要」だと。
こういうことでございまして、ちょっと駆け足で恐縮なんですが「低周波音」、それから「風車騒音」について説明をさせていただきました。ありがとうございました。ちょっと延びてすみません。
座長:どうもありがとうございました。いろいろ質問あるかと思いますが、先に専門家の説明を先にやっていただきたいと思います。
続きまして日本海区水産研究所の藤原様よろしくお願いいたします。
以上
次回「ハタハタの生態~沿岸浅海域の利用状況~」に続きます。
★文字起こしの際、読みやすくなるように、若干整文をしてあります。
今回の動画はこちら↓ 47:55頃から
前回の記事 第2回法定協議会その①はこちら↓
再エネ海域法に基づく秋田県能代市、三種町および男鹿市沖における協議会 第2回その①
昨年12月に開催されました、第2回「再エネ海域利用法に基づく法定協議会」(能代市、三種町及び男鹿市沖)の内容を書き起こしています。
会議時間が2時間ありますので、少しずつ分けて記事にしていきます。
この協議会の動画はYouTubeで視聴できます。一番最後にリンクしておきます。
配布資料は、こちらから見ることができます。
https://www.pref.akita.lg.jp/pages/archive/46739
再エネ海域法に基づく
2019年12月26日(木)
12:00~14:00
本日はご多忙の中ご出席いただきまして誠にありがとうございます。
本協議会の構成員の皆さまのご紹介は割愛させていただきますが、本会においては法律の第9条第5項の規定に基づきまして「関係行政機関の調和、協議会構成員の求めに応じて協会に対して必要な助言を行う」というふうにされております。
この観点から本日、環境省様にもご参加いただいております。環境省大臣官房総合環境政策統括官グループ環境影響審査室の鈴木清彦室長補佐でございます。
また先日開催いたしました第1回の協議会におきまして、松本先生より「『洋上風車によるハタハタへの漁業への影響に関する専門家』それから『洋上風力発電の導入が進んでいる欧州の状況についての専門家』の方をお呼びして情報提供いただきたい」との旨、ご意見をいただいているところでございます。
また能代市長から「地元の方々が『風車の音に対する懸念がある』ということのご発言いただきました」ということで、風車からの音に関する専門家の方からも情報を提供いただくということで、本日3名の専門家の方々にお越しいただいております。
順番にご紹介させていただきます。まず「風車の音の専門家」といたしまして日本大学名誉教授の町田信夫様、次に「ハタハタの専門家」の国立研究開発法人水産研究教育機構日本海区水産研究所資源管理部沿岸資源グループ長の藤原邦浩さん、最後に「ヨーロッパの洋上風力発電の専門家」といたしまして自然エネルギー財団上級研究員の木村啓二様、皆様どうぞよろしくお願いいたします。
さて、前回の協議会におきまして、本協議会の座長といたしまして秋田大学の中村先生にご着任いただいております。では中村先生、以後の進行よろしくお願いいたします。
なお、報道関係者の皆様方におかれましては、協議会の進行に支障をきたさぬよう、これ以降の撮影についてはご遠慮いただきますようお願いいたします。傍聴については引き続き可能でございます。
座長:中村でございます。どうぞ皆様、今回もよろしくお願い申し上げます。
まず最初でございますが、本回以降、先程からあげましたが、本協議会の公開の方法でございますが、一般傍聴をお受けしております。また更に会議の様子をインターネットのYouTubeにより生配信をすることとしたいと思いますのでご了解をいただきたいと思います。
併せまして、本協議会の更なる透明性の確保の観点から、議事要旨ばかりでなく議事録についても作成し更に公表するということにしたいと思います。皆様いかがでしょうか。ありがとうございます。
あと、一般傍聴するにあたり、やはり円滑な議事の進行を確保する必要がございますので、ある程度ルールを定めさせていただきたいと思います。すなわち、傍聴席からの不適切な発言とか旗などを掲げるといった、議事の進行を妨げる行為は控えていただきたいと思います。また場合によっては退席をお願いすることもあるかと思いますので、その点はご理解ください。よろしいでしょうか。
ではあともう一つ発言させていただきたいことがあります。前回もそうでしたが、今回も協議会の日程が決まらず、皆様に連絡が遅れて多大なるご迷惑をおかけしたかと思われます。その点は深くお詫びしますが、やむを得ない事情があったということでご容赦いただければ幸いでございます。よろしいでしょうか。
それでは、事務局からの資料全体の確認をしていただいた上で、議事1の専門家からの情報提供及び前回の補足事項等に入りたいと思います。では事務局から資料の説明お願いいたします。
事務局:まず、全体の資料の確認でございますが、この「議事次第」1枚目にございます通り、配布資料といたしまして「名簿」「配席図」「運営規定」、続きまして資料4で「協議会の説明資料」ということでパワーポイント、それから資料5で「リーフレット」ということでございます。資料6で東北旅客船協会様からご報告、資料7が町田様のプレゼン資料、資料8が藤原様のプレゼン資料、資料9が木村様のプレゼン資料ということになってございます。そのほか参考資料1と2ということで長崎県の方における取りまとめの状況、それから第1回の協議会の議事要旨というものを準備させていただいております。もし不足等ございましたら、事務局のほうにご連絡ください。
それでは続きまして、私の方から資料4に基づきまして、本日こちら「議事次第」ございます。議題が(1)(2)、二つございますが、(1)の議題に関連いたしまして、まず資料4の方でこの議題(1)の全体像と事務局からの補足説明を簡単にさせていただきまして、その上で専門家の皆様方からのご説明、プレゼンテーションの方に移るという流れにさせていただきたいと思います。
まず資料4の方めくっていただけますでしょうか。資料4めくっていただきまして裏側、2ページ目の所でございますが、こちらにそういう意味で議題(1)の全体像でございます。3名の専門家からの情報提供、それから補足事項等、 現在の国の方の調査の状況 、そういったことについて簡単にご説明をさせていただければと思ってございます。
専門家からのプレゼンの前に、簡単に事務局の方の説明の方させていただければと思います。
めくっていただきまして4ページ目の所、後程、国土交通省さんの方からご説明していただければと思います。
飛ばしまして私の方からまず5ページ目の所で、国の方でやっている調査の方の状況ということについて5ページ目6ページ目に基づいて説明をさせていただければと思います。
5ページ目の所でございますが、当区域における調査ということで「自然条件についての調査」ということで、こちら5ページ目の方、ガイドラインの方に記載されている内容でございますが、区域の指定に向けてまた公募に向けまして風況等についての調査を行うというふうになってございます。ガイドラインの方で四角囲みの所でございますが、調査項目として「年平均の風速」それから「風速の分布・風向分布」「乱流強度」「極値風速」といったようなことについて調査をするように、というふうになってございます。
めくっていただきまして6ページ目の所でございますが、具体的な当区域における調査の状況でございます。当区域における調査につきましてはこちら有望区域にとして公表させていただいて以降、こう事務的な調整を進めておりまして、現在、三種町沿岸に風況観測マスト、鉛直ライダー及びスキャニングライダーを設置いたしまして、洋上風況の観測を実施するということで進めております。左下の地図にございます通り黒ポソの所に設置をいたしまして赤い所の風況を観測するということで、右下の絵にございますが、風況観測マストを陸地に設置いたしまして、鉛直ライダーそれからスキャニングライダー等用いながら測定点赤丸の所の風況を観測するということでございます。上の四角囲みに戻りまして、本年(2019年)8月から準備を進めており、「観測開始が2020年の1月」というようなことで今進めているところでございます。
残りの次のページ「地盤の調査」の所についてもこちら、後程、国土交通省さんの方からご説明いただければと思いますが、私の方から資料5の方でございますが、
こちら「洋上風力を知ろう」ということで、前回の議論の中でも、国の方で「しっかりと洋上風力の方の候補ということを知っていただきたい」というお話がご意見頂戴しております。これまでも様々な形でしてきているところでございますが、改めて更に洋上風力についてのご理解を深めていただくべく、現場現場で使えるような形のほうしゃリーフレットの作成、それから資源エネルギー庁のホームページの方でもスペシャルコンテンツを掲載するということで、特集ページを作ったりといったことで引き続き広報活動しっかりやっていきたいと思っております。
こちら資料5の方で、そういう意味では国の方で、今回国土交通省さんと共に作成させていただいたリーフレットということで、洋上風力のどういうものかということ、それからいい点それから懸念点、様々あるとございますので、表裏使いまして、様々なそういう意味ではご心配な点等につきましてもQ&Aという形でこう広報するような内容というふうにさせていただいております。
続きまして松良課長の方から
国土交通省:それでは国土交通省港湾局でございます。先程の資料4のパワーポイントでございますけども、4ページ目の「能代港の利用者との調整」につきましては後程、港湾管理者の****さんの方からご説明があると思いますので、私の方からは7ページ目の「海底地盤調査」の部分につきまして、ご説明申し上げます。
洋上風力を設置するにあたりまして、海底地盤が妥当なのかどうなのかという観点でガイドラインに基づきまして、国の方で「海底地盤調査」を行っております。
一つ目の●黒丸にあります通り、海底の地形、地層、地質につきまして各々の調査を行っているところでございます。結果につきましては二つ目の●黒丸の所でございますが、
①水深につきましては最も深い箇所で約31メートルということであります。
②番目「一部南側に岩盤が露出しているエリアがある」ということであります。
③番目、堆積土の性状海底の中の土質の状況でございますけども、海底面から約20メートルは砂質、砂でございましてその下は約25メートル粘性土、粘土の層がありますと、その下には更に砂質と粘質が互層になっていると、互いに層になっているという状況でございます。
これらを考えまして、まとめでございますけども、有望な区域の海底地盤につきましては、「洋上風力発電を実施する上で障害となるというものは特に確認はされなかった」ということでございます。
次でございますけれども、資料の6でございます。前回の協議会の中で東北旅客船協会の竹内専務理事様の方から「航路等の支障につきまして関係各社に確認をしたのでご報告したい」というふうなお話がございました。本日、竹内専務理事ご欠席でございますので、私の方から資料6につきましてご説明を申し上げます。
東北旅客船協会におかれましては、関係の***方に、今回の有望な区域等につきまして航路への影響につきまして確認をしていただいたということであります。
二つ目のパラグラフの所でございますけれども、2行目以下でありますが「現状では、当該海域において旅客航路事業者が運航する航路は存在しませんので、海洋再生可能エネルギー発電設備の整備の推進には支障がない旨、報告いたします」というふうにいただいております。
3番目のパラグラフ、「ただし」ということでございますけれども、今後、建設工事、メンテナンス作業等々様々な関係せんぱん出てまいりますので、下から2行目でございますが、「関係船舶の航行への支障があるやもしれず、建設作業工程を海事関係者に対し、事前に説明されるなど具体的な対応を願いたい」といったようなご意見をいただいているところでございます。
私の方からは以上でございます。
秋田県港湾技監:秋田県港湾技監、白井と申しますが4ページの方、お開きいただけたらと思います。「能代港の利用者との調整について」というところでございます。
第1回前回の協議会におきましては、能代港の旅客船以外にもですね、能代港の利用者がいるということで、その利用者への影響について確認することとしておりました。それについてですけれども、この区域の案につきましては、「AISによる航跡に基づいて主たる航路は外されて設定している」ということは確認しております。
一方、能代港を利用する船舶につきましては、主に貨物船が利用して、最大船型は石炭輸送船であるということで、下の所に書いてございますが、「外航商船」と名前がありますけれども、主に石炭輸送船であると。
更にはですね、港内には「漁船だまり」があるほか、複数の周辺にですね、複数の漁港もあるために、漁船利用があるほかに、「小型船だまり」も整備されているので「小型船」ここで言う小型船というのは、ヨットとかモーターボートとか、いわゆるプレジャーボート系も含めてのことだと思いますけれども、そういった利用もございます。
以上踏まえまして、今後ですが、公募する際の配慮事項といたしまして「洋上風力発電設備等の設置位置の検討に当たり、能代港を利用する船舶の航行の安全を確認すること」としたらどうでしょうか、というふうなことでございます。以上です。
座長:はい、ありがとうございました。
それでは続きまして専門家の方々から情報提供していただきたいと思います。色々とご質問ご意見があるかと思いますが、それは専門家の皆様3名から説明していただいた後に、まとめて承りたいと思います。
まず順番として「音の専門家」日本大学の町田先生、15分程度でよろしくお願いいたします。
次回へ続きます
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