noshiroshiminのブログ

能代市に住んでいる一般市民です。今、能代市の地先の海に8メガの巨大風車が56基建てられる計画が進んでいます。住民が知らないうちに風車が乱立することがないことを願い、洋上風力関係の説明会や講習会の聴講内容を書き起こしています。聴覚が不自由な方のためでもあります。これからも地元の風力発電事業の動きを記録していきます。

「質疑応答」再エネ海域法に基づく秋田県能代市、三種町および男鹿市沖における協議会 第2回 その⑤

前回の続きです。

「風車騒音・低周波音」「ハタハタの生態」「欧州における洋上風力発電」専門家への質疑応答

配布資料7、8、9はこちら↓(ご覧になれる方はぜひどうぞ)

 https://www.pref.akita.lg.jp/pages/archive/46739

 

この協議会の動画はYouTubeで視聴できます。一番最後にリンクしておきます。

 

回答者:

日本大学名誉教授 町田信夫氏 音の専門家

日本海区水産研究所 藤原邦浩氏 ハタハタ魚の専門家

自然エネルギー財団 木村啓二氏 欧州の洋上風力発電の専門家

 

座長:秋田大学教授 中村雅英氏

 

 

座長:はい、ありがとうございました。それでは皆様方からご意見ご質問を頂戴したいと思います。色々あるかと思いますので、ご意見のある方は挙手をしていただくなどの合図をお願いいたします。

 

質問①風車騒音について

座長:では私から質問させていただいてよろしいでしょうか。

まず、町田先生にお聞きしたいんですが、騒音というのは非常に秋田県民にとっても誰にとっても関心があることなんですが、先生のお話をお聞きしますと、特に低周波ということではなく一般的な騒音源だと理解してよろしいんでしょうか。

町田氏:風車騒音についてはですね、スライドの18ページに現状の風車の騒音の傾向が書かれております。これを見ますと、やはりその感覚閾値以下は超低周波音領域でございますので、やはり問題となるのは、今、先生おっしゃられたように騒音として考えて良いだろうと、このように考えております。

座長:ありがとうございました。あともう一つ、この指針値について説明がございましたが、これは平成29年5月26日になっていますので、それ以前の風車は指針値を満たしていないという恐れがあるということですか。

町田氏:風車問題についてはですね、25ページをご覧いただきたいんですが、25ページに環境省でこのような風力発電施設から発生する騒音等の評価・指標に関する検討会、ここ25年5月に立ち上げまして、28年11月末まで議論し報告書を出したわけでございます。その結果を持ちまして、この指針値を決めたわけでございまして、それ以前には指針値のようなものはございません。

座長:わかりました。ただ、ないということはひょっとしたらオーバーしているのもあるかもしれないと・・・

町田氏:たぶん事業者がですね、それまでの色々な知見をもって、その知見から評価を結論を出していたんだろうと思います。ですから国からの指針値というのは特にありませんでした。

座長:はい、わかりました。ありがとうごいます。

あのあともう一つ、27ページの一番下の所にですね、「景観のような視覚的な要素や経済的利益も煩わしさを左右する」と書かれておりますし、直感的にもよく分かるんですが、経済的利益というとなんか露骨ですが、ようは地域のためになっているようなものだったらば、あまりちょっと煩わしさも少なくなるというふうに理解してよろしいですか。

町田氏:はい実はですね、この色んなバイアスとかまあこんなように書かれている交絡要因が実はあるんですね。風車が見えている場合の音の反応、それから見えない場合の音の、これ違うんですね。それでやはりベネフィットと言いますか、その風車によって、何か変な言葉で言うと、恩恵を被るのか、被らないのかということによってもですね、実は捉え方が違ってくる、これ現実でございます。ですから、いかに事業者がその住民に対して丁寧な説明をして納得していただくかと、そこら辺のことが非常に大事じゃないかと、このように思っております。

座長:どうもありがとうございました。やはりこれを見ますと、地域貢献というか地域活性化に直結するものじゃないと住民も納得しないし場合によっては健康被害につながると、可能性が高くなる、ですね。はい、どうもありがとうございます。

皆さん方から何か・・・

 

質問②騒音の距離減衰について

浜岡氏:24ページで「距離減衰」の結果を示されているんですが、これあの周波数が何ヘルツのものがということになるんでしょうか。

町田氏:これはですね、一緒くたに書かれたものでございまし、オーバーオール値でやっておりますので、周波数ごとのデーターではないんです。全体のレベルがどう減衰したかということでございます。

浜岡氏:あの想定しますのは、その超低周波はたぶんエネルギーを得てなかなか減衰は弱いのかな、逆に ※ ※ 超える様なものは速いのかなと思ってまして、先程ご説明いただいた19ページの風車騒音の測定結果を見た時に、人間の耳に聞こえないものは減衰は程度は低いけれど減っていますが聞こえてない、ですが聞こえるものは速くこう減衰するんでないかななんていうので、この結果を聞こえる音と聞こえない音と分けていくと、もうちょっと形が変わって来るのかなと思ったんですが、そのあたりはいかがですか。

町田氏:そうですね、周波数体系を分けてグラフ化するとやっぱり若干変わるかと思います。ただ超低周波音も超低周波音も音波でございますので、例えば空中のヘリコプターがホバリングして音を出していると言いますと、球面上にこう広がっていきますね。表面積がどんどんどんどん大きくなりますので音のエネルギー薄まっちゃうんですよね。ですからやはり低周波音といっても減衰するんです。ですから低音源ですと距離が倍になりますと6デシベル減衰するということになってますね。ただ先程言いましたように10ヘルツで34メートルのような波長をもった寸法のデカいものですから通常の可聴音よりは減衰しづらいということは否めないですね。

浜岡氏:ありがとうございます。

 

座長:よろしいでしょうか。色々と質問があるかと思いますし、少しでも皆様方の不安を解消するために積極的に質問をお願いいたします。

 

質問③発電コストについて

松本氏:木村様にお伺いしたいんですけれども、発電コストについてお話する時間がなかったんですけれども、資料を拝見しておりますけれども、「風車のサイズ」と「資金調達コスト」というのが発電コスト低下の大きな要因になるということで資料拝見してよろしいでしょうか。

木村氏:はい、えっとですね、まあ様々コストに関わる要素って色々あると思うんですけれども、今大きくコストの低減に効いているのが、おそらくこの二つだろうということでございます。

サイドのページ数で9枚目のスライド、こちらがさっきは「発電所の規模」と「価格」との関係を見たんですけれども、今度は「風車のタービンのサイズ」と「価格」との関係を見た図でございます。

こちらを見ると、かなりきれいにですね、発電所、発電タービン、風車の規模が大きくなることによってコストが下がってきている、ということが言えます。どういうことかということなんですけれども、10枚目のスライドを見ていただくと、年々風車の大きさが大きくなってきているということがございます。

大きくなることで何でコストが安くなるのかということなんですけれども、風車が大きくなることによって、同じキロワットを出そうと思った時に、建てる風車の本数が単純に減るわけですね。前まで20本建てなきゃいけなかったものが同じキロワットを出そうと思っても10本でよくなったりするということになるので、単純に基礎の数も減りますし、建設の工事の工程も減っていきます。

大きくすることでもう一つ何がいいかということなんですけれども、この円の丸ですね、ブレードが回る円のローター直径というふうに言うんですけれども、この円の回る面積が大きくなるということで、たくさんの風を受けることができるようになりますので、勢い発電量も増えますということになりますので、単価が下がって発電量が増えるということで、発電コストも下がるということであります。

メンテナンスとかもですね、小さい物であろうが大きい物であろうが1本1本メンテナンスしていかなきゃいけませんので、そういう意味でも、大きくなることでメンテナンスの工程も軽減できるよといったようなことがございます。

あと資金調達コストなんですけれども、これも非常に実は大きな要因でして、物だけではなくて、借り入れる時の金利であったりとか、株主資本コストというのが風力発電の発電コストにかなり大きく効いてきます。

11枚目のスライド見ておりますけれども、一番左側の図ですね。「発電コストの構成」という図がございます。色分けがしております。オレンジ、黄緑、青としておりますけれども、「風車のコスト」自体はこの青の部分ですけれども、実はこのオレンジの部分ですね、「資金調達コスト」というのが結構大きくなります。ですのでどれだけ低金利で借りるとか、株主に対する支払いもきたいげきりつも低くすることで「資金調達コスト」を下げて、「発電コスト」を下げることができます。

どうやってじゃあそういったその金利のコストを下げることができるかというと、単純にリスクですね。事業リスクが高いとそれだけ高い金利を要求されますので、事業リスクをどれだけ減らせるかということにかかってきます。事業リスクを減らすためには、政策がうまく予見性を持たせてやるということとか、或いは技術の進歩それから産業の成熟といったものが高まることによって信頼性が高まってリスクが減る。それによってコストが減るということになります。はい、すみません、ちょっとそういったところが関係してるんじゃないかというふうに思われます。

 

座長:ほかに何かございませんでしょうか。お願いします。

 

質問④海面への騒音の伝わり方

県漁協:町田先生に一つお伺いしたいんですけれども、漁業者の立場から、人体には色んな音がこう聞こえるような話がありますけれども、風車のブレードとか発電機等々の音が支柱を通って水にどの位伝わって行くのかというのが知りたいんですけれども。

町田氏:ブレードが回転する、まあそれは空力音ということになるんですが、そのハブと言いますか、今のご質問はですね、この17ページをご覧いただきたいんですが、17ページに風車のタワーが建っておりまして、その上に発電機、ブレードがついているわけでございますね。でまあ特徴的なのは、そのブレードの回転によって、ブレードがタワーを通過する際にシュッシュッというような振幅変調音が出ると。もう一点は増速機等の機械的な振動ですね。例えば回転が上手くいっていない、今あまりそういうことはないんですが、そういう振動源がタワーを伝わって基礎から水の水面に伝わるかというご質問かと思うんですが、これはですね、ゼロということではないんですが、極めてこの減衰をしますので、これは鉄柱ですので構造減衰と言いまして、減衰をしていきますので影響の出るような振動源、基礎が振動するということは普通は考えられません。

 

座長:よろしいでしょうか。ほかに何かございませんでしょうか。

 

質問⑤風車の漁礁効果について

杉本氏:これは藤原様なのか木村様にお聞きした方がいいのかよくわからないんですけれども、最後に漁礁の影響というか効果というのはわからないというご説明だったかと思うんですが、結構海外を見るとこれだけ洋上風力が盛んに行われてまして、そういう所の参考になる話というかデータとかというのはそういうものはないんでしょうか。ハタハタと多分この北海に生息する魚種によって習性とかが違うので参考になるかどうかというのはわからないとは思うんですけれども、漁礁の海外のお話はどうとかっていうのはご存じですか。

木村氏:海外での洋上風力でそういった漁礁・漁業に対する影響はどうなのかということかと思いますけれども、私自身ちょっとその辺詳しくないんですけれども、いくつかの論文で洋上風力を設置することによって漁礁効果が現れて魚がそこに集まるといったようなことが報告されているということは読んだことがございますけれども、体系的に調べているわけではございません。そういった断片的な情報で大変恐縮ですけれど、(藤原氏へ)ありましたらよろしくお願いします。

藤原氏:加えて申し上げますと、基本的にはこのようなものに関して海の中に構造物ができるという発想で言えば人工漁礁とよく似ているということで貝がついたりとかそれを食べる魚が群がって来るとかいうものの報告は日本の方でも少しありますし海外でもあるようです。

但しですね、ハタハタ、先程言ったように、居ついていればいいのかという話が実はあるので、ちょっとそこは効果とかそういう意味ではちょっと影響は分からないというのが多分やってもおそらく分かりづらいとは思うのでモニタリングを継続的にやる必要があるということかと思います。

杉本氏:わかりました。どうもありがとうございました。

 

座長:確か前回の時もですね、風車設置後も継続的にモニタリングはやって欲しいという要望が出されたと私は記憶しております。これについては絶対必須だと思いますので、そのようなことも業者の選定には考慮する必要があるんではないか、設置してからも継続的にモニタリングをやり住民との意見交換を定期的に行うというのがやはり必須だと思います。ほか何かございますでしょうか。

 

質問⑥ハタハタの産卵場への影響について

八竜漁協:さっきも先生の方からハタハタに対して基礎部分に海藻がついたりという話が出ましたけれど、ここで全部産卵してしまうと浅瀬の方には入ってこないんではないかと、それがすごく心配ですのでその辺をもうちょっとわかっておりましたら教えてくださいませんか。

藤原氏:ご質問としては、その近辺で目一杯産んだ場合にということですよね。むしろ親の方が集まり過ぎて、そこでたくさん産んでしまったら全体として問題が出るんじゃないかと。

八竜漁協:フリカツ(?)と言うような、金にならないのが入って来るんでないかと。それが心配で・・・

藤原氏:どの位の風力発電の規模で幅があるのかというのがちょっと分かりづらいので、それと産卵場は実は秋田県内はかなり大きく一帯にありますので、そのすべてがそこに集まるというような規模ではもちろんないような気がしますから、計算上はなかなか出しづらい話になろうかと思います。但し、ごく沿岸で自分たちの漁場でどうなるかというのはちゃんとやっぱり見ておかないと、先程心配された様にフリカツ(?)というのは産んだ後のもので単価が安い魚になってしまうものですけれども、そういうものだけになってしまわないかというのはちょっと心配する必要があろうかと思います。

座長:よろしいでしょうか。

八竜漁協:ありがとうございました。

 

座長:まだまだあるかと思いますが2時までということにさせていただいておりますので、次に議事(2)に入りたいと思います。もしも質問があればこの会議終了後に個々の先生に個々にお願いをするということでお願いいたします。

 

以上

次回議事(2)「協議会意見取りまとめに向けて」に続きます。

 

★文字起こしの際、読みやすくなるよう若干整文をしてあります。

★どうしても聞き取れなかった箇所は ※ ※ ※ としてあります。

 

今回の動画はこちら↓ 1:43:15頃から


2019/12/26秋田県内両協議会

 

 各専門家の方たちの説明はこちらをご覧ください。↓

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