大林組 秋田県北部洋上風力発電事業 環境アセス「準備書」説明会(能代市)その4 事業説明 環境アセス②
環境アセス内容の続きです。
以下、説明者は引き続き、調査会社のM氏です。
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6. 環境影響評価 (水の濁り)
次に水の濁りについて簡単に説明いたします。
42ページをご覧ください。
■現地調査
水の濁りの現地調査については、
右の図の、赤い範囲である、対象事業実施区域の 代表地点9点および対照地点1点 として、黄色の丸の位置で、四季に実施しています。
43ページをお願いします。
■予測・評価
水質、底質、流況などの調査結果および工事計画のもとに
工事中における、水の濁りのシミュレーションを実施しました。
この図は、モノパイルを打設した場合の、水の濁りの影響範囲を示しています。
右側が、対象事業実施区域の全体図
左側が、打設地点周辺の拡大図となります。
水産用基準はミリグラムパーリットル(mg/L)であり、赤い線で示しています。
工事中の水の濁りについては、打設地点周辺で基準以上となる範囲が出現するものの、工事終了2時間後には濁りは解消され、一時的であることから、工事による影響は小さいと評価しています。
次に44ページをお願いいたします。
風車の影について簡単に説明いたします。
45ページをご覧ください。
6. 環境影響評価 (風車の影)
■資料調査・現地調査
風車の影の調査については、右の図の、青い範囲である風車設置範囲から1.5キロメートルの範囲の陸域にて実施しています。
46ページをお願いいたします。
6. 環境影響評価 (風車の影)
■予測・評価
周辺の住居等の調査結果および事業計画を基に、風車の影のシミュレーションを実施しました。
この図は一年間を通した、風車の影の影響範囲を示しています。
年間で30時間以上か30時間以上影がかかる範囲に色をつけています。
日本には、風車の影がかかる規定がないため、ドイツ等の指針を参考に比較しています。
住宅、福祉施設等に風車の影がかかる時間は指針を下回るため、影による影響は小さいと評価しています。
次に水中騒音について簡単に説明いたします。
48ページをご覧ください
6. 環境影響評価 (水中騒音)
■現地調査
水中騒音の現地調査については、水の濁りと同様の10地点で、四季に実施しています。
次に49ページをお願いいたします。
■予測・評価 (工事中)
調査結果および工事計画をもとに、モノパイル打設工事中における、水中騒音のシミュレーションを実施しました。
この図は、モノパイルを打設した場合の水中騒音の影響範囲を示しています。
赤い範囲が水中騒音が大きく、黄色から緑を経て青くなるにしたがって、水中騒音が小さくなっています。
この海域の影響の調査結果、75から90デシベルに対して打設地点から10キロメートル沖で140デシベル程度と予測されています。
(背景騒音100Hzの年間平均値は75~90dB程度)
ただし
▪打設工事は1基当たり1日に1.2時間程度と一時的であること
▪設置位置が日毎に変わるため影響が分散されること
▪打設開始時の打撃を弱くするソフトスタートという環境保全措置を実施すること
などにより、海生動物への影響は低減できると評価しています。
次に50ページをご覧ください。
■予測・評価 (稼働中)
調査結果および事業計画をもとに、すべての風車が稼働した場合の、水中騒音のシミュレーションを実施しました。
この図は、すべての風車が稼働した場合の、水中騒音の影響範囲を示しています。
先程の工事中と同様に、赤い範囲は水中騒音が大きく、青い範囲は水中騒音が小さくなりますが、風車の稼働中についてはほとんどが青色ということで、工事中と比較して水中騒音が小さいことがわかります。
この海域の影響の調査結果、75から90デシベルに対して風車の位置から1キロメートル沖で95デシベル程度と記録されています。
風車稼働中の水中騒音の拡散範囲は、対象事業実施区域周辺に限定されると評価しています。
次にコウモリ類および鳥類について簡単に説明いたします。
52ページお願いいたします。
6. 環境影響評価 (コウモリ類)
■現地調査
コウモリ類の現地調査については、海域の風車設置範囲を船舶で、および陸上の沿岸部を車両で、冬眠している冬を除いた春夏秋に実施しています。
調査地点:風車設置範囲を区分した3海域および沿岸部陸上
調査手法:バットディテクター(船舶、車両)
調査時期:春、夏、秋
次に53ページをお願いします。
■予測・評価
現地調査および運転調査結果からこの地域のコウモリの生息環境はおもに陸域であり、
洋上風車がコウモリ類に与える影響は小さいと評価しています。
次に54ページをご覧ください。
6. 環境影響評価 (鳥類)
■現地調査
鳥類の現地調査については
・船舶から双眼鏡などにより目視観察を行う船舶トランセクトライン調査
・陸域から双眼鏡などにより目視観察を行う定点調査
・渡り鳥を対象としたレーダー調査
を、それぞれ適切な時期に実施しています。
55ページをお願いいたします。
■調査結果 (重要種・渡り鳥)
現地調査で確認された鳥類のうち、学術上または希少性の観点から見た重要視を表に示しました。
これらを予測評価の対象としています。
56ページをお願いいたします。
■予測・評価
風車設置範囲内で、風車ブレード領域の高さを飛翔した重要な鳥類については、推定年間衝突回数を予測しています。
推定年間衝突回数は最大でもマガンの一種で年間0.18回と記録していますが、予測には不確実性を伴うため事後調査を実施することにしています。
次に魚類等について簡単に説明いたします。
58ページをご覧ください。
6. 環境影響評価 ( 魚類等 )
■現地調査
魚類等の現地調査については、水の濁りや水中騒音と同様の10地点で、四季に実施しています。
魚類のほかに、底生動物、魚卵、稚仔魚、海棲哺乳類の調査を実施しています。
59ページをお願いします。
■重要な魚類
学術上または水産上の観点から、サケ、サクラマス、ハタハタ、マダイ等10種の重要種を選定し、予測評価の対象としています。
このグラフは、水中騒音によるマダイの反応を示しており、これを評価の指標としています。
例えば、100ヘルツの水中騒音からマダイが90デシベル程度から聞こえ始め160デシベル程度で驚いて音源から遠ざかることになります。
次の60ページをお願いします。
■予測・評価 (工事中)
魚類等への工事中の影響としては、水の濁りと水中騒音が考えられます。
【水の濁り】については、
・水産用水基準 (2mg/L) を超過するのは、一時的かつ限定的な範囲であること
・重要種の濁り耐性レベルが、水産巣用水基準 (2mg/L) よりも大きい
など、
【水中騒音】については
・打設位置から約2キロメートルの範囲がマダイの威嚇レベルを超過していますが、打設開始時の打撃を弱くするソフトスタートを実施すること
・打設工事は1基当たり1日に1.2時間程度と一時的であること
・設置位置が日ごとに変わるため影響が分散されること
などにより、
魚類等への工事中の影響は低減できると評価しています。
ただし、予測には不確実性を伴うため事後調査を実施することとしています。
61ページをお願いします。
■予測・評価 (稼働中)
魚類等への風車稼働中の影響としては、生息環境の改変と水中騒音が考えられます。
【生息環境の改変】については、
・洗堀防止工を56基設置した場合の改変面積は風車設置範囲の0.2パーセントとわずか
であり、
【水中騒音】については
・風車稼働に伴う水中騒音は1キロメートル以内で重要種の聴覚閾値以下のレベルまで減衰すること、
・風車稼働によりマダイの威嚇レベルに達する水中騒音は生じないこと
などにより、
魚類等への風車の稼働時の影響は小さいと評価しています。
ただし、予測には不確実性を伴うため事後調査を実施することとしています。
次に海藻草類について簡単にご説明いたします。
63ページをご覧ください。
6. 環境影響評価 ( 海藻草類 )
■現地調査
海藻草類の現地調査については、水の濁り、水中騒音、魚類等と同様の10地点で、四季に実施しています。
64ページをお願いします。
■予測・評価 (工事中)
調査の結果、風車設置範囲の底質は砂地であり、海藻草類の生育は確認されませんでした。
また、重要な海藻草類であるイシモズクが分布する『若美漁港』の前面海域は、工事地点から1キロメートル以上離れているため、工事による海藻草類への影響は小さいと評価しています。
また、風車設置範囲に対するモノパイル基礎設置面積は0.2パーセントとわずかで、かつ風車設置範囲内にイシモズク等が確認されなかったことから、風車の存在による海藻草類への影響はないと評価しています。
次に景観について説明いたします。
66ページをご覧ください。
6. 環境影響評価 ( 景観 )
■資料調査・現地調査
洋上風車が見える主要な眺望点として、基礎資料や行政、専門家の助言を基に、こちらの図と表のように9地点を選定しています。
1. はまなす展望台
2. はまなす画廊
3. 浅内海岸
4. 釜谷浜海水浴場
6. 男鹿市美野地区
7. 宮沢海水浴場
8. 入道崎
9. 寒風山
67ページをお願いします。
■予測・評価 (垂直視覚)
風車の海面の位置からブレードの最高高さまでを見た際、その垂直方向の角度を垂直視覚と呼びます。
鉄塔の見え方については、10から12まで圧迫感を受けるようになると言われており、これを参考に10度を評価指針としています。
各眺望点から見た垂直視覚は、すべて10度を下回っており、影響は小さいと評価しています。
次にフォトモンタージュについて説明しますが、時間が限られているため、能代市の眺望点であるま『はまなす展望台』
『はまなす画廊』『浅内海岸』について紹介いたします。
ほかの地点についても、説明書にフォトモンタージュを掲載しておりますので、後程ご覧ください。
それでは68ページをご覧ください。
上の写真が『はまなす展望台』からの現況の眺望を、パノラマ写真で撮影したものです。
真左から正面を通って真右まで、全面の景観を一枚の写真に収めているため、若干空間が歪んだように見えています。
この地点からは、男鹿半島や既設の風車が眺望できます。
下の写真が計画している洋上風車を合成したフォトモンタージュです。
それでは69ページをご覧ください。
こちらの写真は、同じく『はまなす展望台』からのフォトモンタージュで、最も垂直視覚が大きい風車にフォーカスしたものです。
次に70ページをご覧ください。
上の写真が『はななす画廊』からの、現況の眺望をパノラマ写真で撮影したものです。
この地点は『はまなす展望台』と高さが異なるだけで、位置は近く、男鹿半島や既設の風車が眺望できます。
下の写真が、計画している洋上風車を合成したフォトモンタージュです。
それでは次に71ページをご覧ください。
こちらの写真は、同じく『はまなす画廊』からのフォトモンタージュで、最も垂直視覚が大きい風車にフォーカスしたものです。
次に72ページをご覧ください。
■予測・評価 (フォトモンタージュ:浅内海岸)
上の写真が、『浅内海岸』からの現況の眺望をパノラマ写真で撮影したものです。
この地点からは男鹿半島が眺望できます。
下の写真が、計画している洋上風車を合成したフォトモンタージュです。
次に73ページをお願いします。
■予測・評価(フォトモンタージュ:浅内海岸)
こちらの写真は、同じく『浅内海岸』からのフォトモンタージュで、最も垂直視覚が大きい風車にフォーカスしたものです。
( 以下、説明はありませんでしたが、資料掲載の写真です )
■予測・評価 (フォトモンタージュ:釜谷浜海水浴場) P74~75
■予測・評価 (フォトモンタージュ:三種町大口釜谷地区) P76~77
■予測・評価 (フォトモンタージュ:男鹿市美野地区) P78~79
■予測・評価 (フォトモンタージュ:宮沢海水浴場) P80~81
■予測・評価 (フォトモンタージュ:入道崎) P82~83
■予測・評価 (フォトモンタージュ:寒風山) P84~85
次に87ページの産業廃棄物をご覧ください。
6. 環境影響評価 (産業廃棄物)
■予測・評価
工事に伴う産業廃棄物の発生量、有効利用量、および処分量は、現段階でこちらの表のように計画されています。
産業廃棄物につきましては、
・可能な限り有効利用に努め、廃棄物の処分量を低減する
また
・分別収集 · 再利用が困難な産業廃棄物は、専門の処理会社に委託し、適正に処理する
ということから、環境への影響は小さいと評価しています。
次に環境影響評価の結果について、結果のまとめについて説明いたします。
89ページをご覧ください。
6. 環境影響評価のまとめ
■予測・評価
各項目への影響を予測した結果、影響はおおむね小さいと評価されています。
ただし、騒音、超低周波音、水中騒音については影響を確認するため、動物については予測に不確実性がともなうため、表のように事後調査を実施することとしています。
次に90ページをお願いします。
■簡易予測・評価
選定項目以外にも、簡易的に【工事振動】および【海底地形変化】の予測を実施しており、影響はほとんどないと評価しています。
これで環境影響評価に関する説明を終わります。
司会:ご清聴ありがとうございました。
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以上
第一部の『事業者説明』が終わりました。
次回からは、第二部の『質疑応答』の聴講内容を載せていきます。